“Star People” (Aug.1982–Feb.1983) Miles Davis
Miles Davis (trumpet, Keyboards)
John Scofield, Mike Stern (electric guitar)
Marcus Miller, Tom Barney (bass) Al Foster (drums) Mino Cinelu (percussion)
Bill Evans (tenor, soprano sax)
 


 Miles Davis、長期休養からの復帰第三作、復帰第一幕を締めるアルバム。
 次作“Decoy” (Jun.Jul.Sep.1983) ではまた音が変わりますので、復帰からのインプロビゼーションを中心としたジャズファンクフュージョンの締め。
 復帰時からのコアのメンバーを残しつつ、しばらく活動をともにするJohn Scofieldが参加。
 サックスのBill Evansは一部のみでの参加。
 グワシャーンとロックなギターの音でスタートしますが、弾むベースとギターのカッティングがカッコいいファンキーな演奏。
 シンプルなリフ、ひとつのリズムパターンで10分を超えるハイテンション長尺なインプロビゼーションが何曲か。
 以降、ライブはさておき、スタジを録音ではコンパクトな楽曲が中心となり、その意味では本作がインプロゼーションミュージックとしての最後の作品かもしれません。
 弾みまくるリズム隊と、ギター、トランペットのインプロビゼーションのカッコいいこと。
 激しくてもあくまでスムースなMike Sternのギターに対して、粘りがあってブルージーなJohn Scofieldのギター。
 間々に挟まれる復帰直後からの色合いのファンクナンバーを含めて、このバンドはここで完成したように思うのですが、そこに止まらないのがMiles Davis。
 本作でも一部に出てくる御大自身が弾くキーボードの緊張感の高い音使い、あるいは、とてもあのクールなMiles Davisが書いたとは思えないポップなファンク” U 'N' I”が、後のサウンドを予見させます。
 また、プロデューサーにTeo Maceroのクレジットがあるのもこの作品まで。
 諸々含めて、この作品で1960年代から続く色合いのジャズファンクの音作りからは決別したようにも感じます。
 次は新しい世代の人材Robert Irving IIIを再度迎えて、ポップな色合いが強まる“Decoy” (Jun.Jul.Sep.1983)へと続きます。

 


posted by H.A.