Sportin' Life (1985) Weather Report
Josef Zawinul (Keyboards) Wayne Shorter (Saxophones) Omar Hakim (Drums, vocals)
Victor Bailey (Bass, vocals) Mino Cinélu (Percussion, vocals, guitar)
Bobby McFerrin, Carl Anderson, Dee Dee Bellson, Alfie Silas (Vocals)
 
Sportin' Life
Weather Report
MUSIC ON CD
ウェザー・リポート


 Weather Report、ラス前は前作“Domino Theory” (1984)よりもさらにポップな音作りのアルバム。
 次作“This Is This!” (1986)は契約消化のため云々といった話、Wayne Shorter、Omar Hakimの参加も限られていて、本作が事実上のラストアルバムなのかもしれません。 
 パーカッションがMilesバンドに“Decoy” (Jun.1983–Sep.1983)まで参加していたMino Cinéluに交代しています。
 冒頭からいつもより明るく元気いっぱいなファンクフュージョン。
 いつものように弾むようなリズムですが、ホーン隊のようなシンセサイザーのブレイクが効いたちょっとディスコ(懐かしい!)っぽいなあと思うゴージャスで派手なビート。
 ボコーダー的な音、デジタル処理した気な楽し気なコーラス、ミュージックビデオで大人数でダンスしていそうな雰囲気は、まあ想定の範囲としても、イメージチェンジではあります。
 ここまでの流れに沿った複雑なファンクビートをはさみながらも、アコースティックギターを背景にしたフォークなボーカル曲などもこのバンドとは思えない音。新顔Mino Cinéluの曲、ギター、ボーカルですか。
 さらにはシンセサイザーがメロディを綴るあの”What's Going On”。
 ベースラインと、サックスのオブリガートがカッコいいんだけども、そこそこ素直で、Weather Reportっぽいところまでもって行けているのかなあ・・・
 “Domino Theory”ではまだ半数以上を占めていた複雑なビートのファンクは少なくなりました。
 それでも最後の二曲、ソプラノサックスが主導する幻想的なバラード、プラスチックな4ビートの香りもする複雑なビートの楽園ファンクと、いかにもなシンセサイザーとサックスの絡み合い。
 これこそこの期のWeather Report・・・ってな感覚は古いのかなあ・・・?
 もし本作がラストアルバムだとすれば、ハッピーエンドな感じで、それなりにカッコいい締めだと思うのだけど。
 きっとまだそのつもりではなかったんだろうなあ・・・
 
 


posted by H.A.