Domino Theory (1984) Weather Report
Josef Zawinul (keyboards) Wayne Shorter (tenor, soprano sax) Victor Bailey (bass) Omar Hakim (drums) José Rossy (percussion)
Carl Anderson (vocals)
徐々にポップ度が高くなっていく過程の一作。
宇宙的なシンセサイザー?の響きで幕を開けますが、それは男性ボーカル入りバラードのAOR風ポップチューンの前奏。
この曲でのWayne Shorterの出番はなし。
これはなんとも・・・
二曲目からはいつものファンクフュージョン
複雑なビート、複雑なメロディの展開ながら、なぜか軽やかでポップ、コーラスなども挿入されて楽し気なムード。
ドラム、ベースにシンセサイザーは使っていないようなので、グルーヴ自体は自然、前作“Procession” (1983)と同じくゴムまりのように弾む強烈なリズム隊。
が、シンセサイザーの音色が多彩になり、さらにサックスにもエフェクティングした感じで、何だかデジタルなムードも強くなってきましたかね。
“Mr. Gone” (1978)あたりから前作“Procession” (1983)まで続いた未来的な4ビートも本作ではありません。
それでもだんだんと複雑なフュージョン~インプロビゼーション色も強くなり、最後のタイトル曲”Domino Theory”もは明るい色合いながら、超複雑系のファンクチューン。
新しいジャズフュージョンを追及するこのバンドの面目躍如。
全体を眺めるとカッコいいジャズファンクフュージョンです。
でもなんで冒頭にボーカル曲を持ってきたんだろう?
謎です。
次作“Sportin' Life” (1985)を聞くとポップの方向に行くつもりだったのは分かるのですが。
Miles Davisが復帰作 “The Man with the Horn” (Jun.1980–May.1981)でボーカルを入れたのが数年前、Time after Timeを吹いた“You're Under Arrest” (Jan.1984–Jan.1985)が同じ時期。
時代はジャズ、フュージョンではなく、ポップス、AORですか・・・
posted by H.A.