“Welcome” (Jun.1973) Santana
Carlos Santana (electric, acoustic guitar, bass, kalimba, percussion, vocals)
Tom Coster (organ, electric piano, acoustic piano, marimba, percussion) Richard Kermode (organ, mellotron, electric piano, acoustic piano, marimba, shekere, percussion) Douglas Rauch (bass) Michael Shrieve (drums) José "Chepito" Areas, Armando Peraza (percussion) Leon Thomas (vocals, whistling) 
Wendy Haas, Flora Purim (vocals)
John McLaughlin, Douglas Rodriguez (guitar) Joe Farrell, Bob Yance, Mel Martin (flute) Tony Smith (drums) Jules Broussard (soprano sax)
 
Welcome
Santana
Sbme Special Mkts.
サンタナ


 Santana、"Caravanserai" (Feb-May.1972)に続くジャズ的フュージョン的アルバム。
 が、前作"Caravanserai" (Feb-May.1972)と比べるとかなりムードが異なります。
 キーボードのGregg Rolie が抜けて、Tom Coster中心になったことも大きいのでしょう。
 タイトルはJohn Coltraneの曲。
 カバーもしていて、冒頭はAlice Coltraneのアレンジによる重厚なオルガン、荘厳で宗教的なムードからスタート。
 これは濃いかな?と思いきや、全体的にはかなりポップで洗練されたムード。
 続くギターとエレピの絡み合うイントロはジャジーですが、キャッチーなボーカル曲。
 タイトルは同時期の激しいギターアルバム“Love Devotion Surrender” (Nov.1972) Carlos Santana / Mahavishnu John McLaughlinと同じですが、その印象とは違うあの時代っぽい柔らかなメロディ。
 少々サイケな香りも残しつつ、ボーカル曲もロックというよりもソフトなソウルな感じ。
 さらには、明るくて軽やかなフュージョン曲、AORっぽいボーカル曲へと続きます。
 ボーカル曲はヒットチャート上位に入ってもおかしくないようなキャッチーさ。
 いわゆるレアグルーヴ揃い。
 LPレコードA面最後、Flora Purimのスキャットが映える "Yours Is The Light"などはドラマチックでカッコいいジャズファンクフュージョン、ラテン混ざり。
 Weather ReportやFlora Purimのリーダー作よりもカッコいいんじゃない・・・かどうかはわかりませんが、そんな演奏よさ。
 LPレコードB面に移るとインストバンドが全面に出ます。
 前半のサックスはカッコいいし、終盤はJohn McLaughlin も加わって"Caravanserai"のような強烈な疾走感とハイテンションなジャズフュージョン、ラテン入り。
 最後のJohn Coltraneナンバー“Welcome”は、オリジナルと同様にルバートでのスローバラード。
 二台のピアノとギターが織りなすドラマチックで前向きなエンディング。
 Coltrane云々はさておいて、明るくて柔らかなラテンフュージョンアルバムとして最高だと思うのだけども、前後周辺の凄いアルバムに紛れてしまうのかな?
 ロックファンからすると激しさやギターソロが少なめで、物足らないのかな?
 全然マニアックではない、ラテンジャズフュージョン、一部ボーカル入りの名アルバム。




posted by H.A.