"Caravanserai" (Feb-May.1972) Santana
Carlos Santana (lead guitar, guitar, vocals, percussion)
Gregg Rolie (organ, piano) Tom Coster (electric piano) Neal Schon (guitar) Tom Rutley (acoustic bass) Douglas Rauch (bass) Michael Shrieve (drums) Jose "Chepito" Areas (congas, timbales, bongos) Rico Reyes (vocals)
Douglas Rodrigues (guitar) Wendy Haas (piano) James Mingo Lewis (percussion, congas, bongos, vocals, acoustic piano) Armando Peraza (percussion, bongos) Hadley Caliman (saxophone , flute) Lenny White (castanets)
 
Caravanserai
Santana
Sony
サンタナ


 John Mclaughlinはよくわからないのでこの人が最後、かな?
 John Coltraneもさることながら、エレクトリックMilesと近いような、そうでもないような、微妙な位置関係にあるSantana。
 エレクトリックMiles、Weather Reportとメンバーが重なっていたり、John McLaughlinが近かったり、“On The Corner”(Jun.1972)の後のMiles Davisの作品、“Dark Magus”(Mar.1974)や“Get Up with It”にはSantanaからMilesへの影響もあるようにも聞こえます。
 ジャズファンからどう見えているのかはさておき、ちょっと普通のロックバンドとは違う空気感、特に本作を中心とした数作は、ジャズに慣れてしまった耳にも特別なカッコよさがあるように思います。
 
 そのジャズ的、ファンク的、フュージョン的ロック、大傑作アルバム。
 前作“Santana III” (1971) Santanaからの流れにあるのですが、雰囲気は異なります。
 ジャズ的というと違和感があるのかもしれませんが、普通のロックとは違うジャジーなムード。
 おそらくコンテンポラリージャズが好きで歪んだギターが許容な人にはフィットする音。
 終始響くオルガンとうるさくないドラム、パーカッション群が作るヒタヒタと迫ってくる系のグルーヴ。
 “Bitches Brew” (Aug19-21,1969) Miles Davisの影響があるのかどうかはわかりませんが、言葉で書いてしまうとそんな音。
 ジャジーなウッドベースとファンキーなエレキベースが交錯しするジャズファンクフュージョン、パーカッションの強烈なラテン風味。
 エレクトリックMiles閥のメンバーの合流はまだありませんが、ジャジーでファンキーでカッコいいビート揃いの演奏。
 ロックな場面は半分以下でしょう。
 あの”哀愁のヨーロッパ”のTom Costerが参画したことでの洗練、元からの中核メンバーGregg Rolieのアーシーなムードが混ざり合っていい感じでバランスがとれているようにも思います。
 抹香臭い・・・なんて意見もあるのかもしれませんが、それがしっとりとしたいい感じに繋がっているのでしょう。
 ギター小僧大喜びのエレキギターのカッコいいソロの連続。
 間々に挟まれる数曲ボーカル曲もキャッチーな楽曲揃い。
 さらに全編を通じたしっとりとしながらもシリアスなムード、緊張感含めて最高にカッコいい音作り。

 冒頭、妖しいウッドベースとエレピ、歪まないギターが絡み合う幻想的なムード数分から、凄まじいベースラインとハードなギター、激しいパーカッション陣の絡み合いからいきなり最高潮。
 決して長くはない演奏の中にこのアルバムの凄みが凝縮されているような演奏ですが、まだまだ序の口。
 続くファンクロックもボーカル曲も名演の連続。
 中盤の"Song of the Wind"なんて、穏やかなサンバビートを背景にして、最高のギターソロが延々と続く素晴らしい演奏。

 LPレコードB面は、”Weather Report” (Feb-Mar.1971)のぶっ飛んだ冒頭曲”Milky Way”を思わせる妖しげなエレピのコードチェンジからスタート。
 さらに激しいラテンパーカッションが絡む妖しくもカッコいい音。
 ウッドベースとオルガンが鳴り出し、ビートが入る瞬間のカッコいいこと。
 さらにはJobimナンバーのロックな演奏、クラーベ、パーカッションが鳴り響くラテンフュージョンときて、最後はオルガンと激しいギターが先導する、激烈な"Every Step of the Way"。
 “Bitches Brew” (Aug19-21,1969) Miles Davis的なような、Mahavishnu Orchestraなようなイントロダクションから、凄まじいパーカッション群が繰り広げるリズムの饗宴、強烈な疾走感、グルーヴ、叫びのような息継ぎを伴う凄まじいフルートから、締めはオーケストラを背景にした、ギターのソロ・・・

 最初から最後まで、全曲名曲、名演。
 これを聞いたMiles Davisもビックリ・・・したかどうかは知りませんが、“Get Up with It”に収められた"Calypso Frelimo"<Sep.1973>に通じそうな感じもあります。
 ジャズに慣れた耳で聞き直しても、やはり世紀の大名アルバムだと思います。
 次作はColtrane ナンバーを冠した“Welcome” (Jun.1973)。
 Coltrane的で重々しい・・・とは全く逆。
 ソフトで洗練された作品群、名作群へと続いていきます。

 


posted by H.A.