“Weather Report” (1982) Weather Report

Josef Zawinul (Electric keyboards, piano, clay drum, drum computer, percussion, voice, horn, woodwind, string and brass sounds) Wayne Shorter (Tenor, soprano sax) Jaco Pastorius (Bass guitar, percussion, voice) Peter Erskine (Drums, drum computer, claves) Robert Thomas Jr. (Percussion)
 
Weather Report
Weather Report
Sbme Special Mkts.
ウェザー・リポート


 Weather Report、Jaco Pastorius、Peter Erskineコンビ参加の最終作。
 Wayne Shorterの楽曲は“Mr. Gone” (1978)あたりから減っていった印象ですが、本作でも一曲のみ、Jaco Pastoriusの楽曲はなく、Joe Zawinul中心。
 “Mr. Gone” (1978)から試行してきたことがスッキリとまとまった印象。
 ちょっと変わった未来的なイメージの4ビートやら、聞き慣れない音階やら。
 不思議系の音は残っていますが、それらの諸作よりも明るいイメージでしょう。
 冒頭からファンクとジャズが入り混じるような不思議なビート。
 凄まじいベースと不思議な音のキーボードの絡み合い。
 バスドラムが凄い動きをしていて、それを含めてちょっと他にはないドラミング。
 続くはテナーとベースがリードする絶品バラード。
 さらにはファンクと例の未来的な4ビートが交錯する長尺な組曲。
 LPレコードB面に移っても軽快な曲が並び、またもやとてもカッコいいメロディのバラードも・・・
 などなど、わかりやすい楽曲、スッキリとした名演奏揃い。
 これが“Mr. Gone”以降で作りたかった音の完成形なのかどうかはわかりませんが、プラスチックな質感の未来的4ビートあり、不思議感あり、キャッチーさありの完成度の高いアルバムであることは間違いありません。
 気のせいかもしれませんが、ベースの音がJaco Pastoriusっぽくなくて、エフェクターを掛けたり、固めの音だったり、あの柔らかな音は少々のみ?
 二人が抜けたのはWord of Mouthとツアーがバッティングしたから、と読んだ記憶がありますが、音作りについての確執もあったのかもと思ったり、Jacoのあまりにも個性的な音、存在感が過剰に大きくなるのを嫌ったのかと思ったり。
 “Heavy Weather” (1977)以来のCo-Produce、Jaco Pastoriusのクレジットも残っているのでそうでもないのかなあ?
 最後に収められたベースとドラムがカッコいいファンク曲”Dara Factor Two”の一部に、この期に及んで”Jack Johnson" (Feb.18,Apl.7,1970) Miles DavisのWillie Nelsonに似た、”Jaco Pastrius” (1975-6) の“Come On, Come Over”と同じベースパターンが出てくるのも面白いなあ。
いずれにしてもJaco Pastorius、Peter Erskineは本作を最後に脱退。
 カッチリした質感のファンクフュージョンの“Procession” (1983)へと続きます。
 デビュー作”Weather Report” (Feb-Mar.1971)のジャケットはミッドナイトブルー、ファンクフュージョン路線が始まった“Sweetnighter” (Feb.1973)は曇り空でしたが、本作のジャケットは青空のようです。




posted by H.A.