Night Passage (1980) Weather Report

Josef Zawinul (Keyboards) Wayne Shorter (Saxophones) Jaco Pastorius (Bass) Peter Erskine (Drums) Robert Thomas Jr. (Hand drums)
 
Night Passage
Weather Report
Sbme Special Mkts.
ウェザー・リポート


 Weather Report、ファンクフュージョン時代の集大成ともいえる“8:30” (1978,1979)に続く作品。
 ライブでの中心的な演奏はさておき、新しく試行していた音の“Mr. Gone” (1978) 、あるいは“8:30”のスタジオ録音部分の延長線にある音。
 少し沈んだムード、少々のデジタル臭、未来的な?4ビート、などなど。
 華やかでポップな“Tale Spinnin'” (1975)、“Black Market” (1976)、“Heavy Weather” (1977)とは雰囲気が違います。
 いつものファンクフュージョンのようで、4ビートのようなファンクのような、不思議なビート感、落ち着いたムードが印象に残ります。
 冒頭のタイトル曲からそんなビート。
 ベースが4ビートで弾いていて、他のメンバーが別のビート感で演奏しているから?
 スウィングしているんだけも、さらに後から押されるような、前から引っ張られるような、それでいて跳ねるような、何だかわからない不思議なビート感。
 決して派手でも華やかでもないけども、Jaco Pastoriusのゴムまりのように弾む4ビートは最高にカッコいいし、不思議な心地よさ。
 続くはベタなセンチメンタリズムが漂うバラード。
 これまたサックスが珍しくベタベタなブロー、さらに締めにメロディを出すべースのカッコいいこと。
 さらには超絶疾走ベースやら、いかにもWayne Shorterなフワフワした曲やら、もろ4ビートジャズやら、超絶疾走4ビートを背景にしたテナー、シンセサイザーの激しいインプロビゼーションやら。
 終盤はJaco Pastoriusの名ワルツ”Three Views of a Secret”から、”Madagascar”のライブ録音で締め。
 Joe Zawinulの曲は4ビートが中心ですが、 Wayne Shorter、Jaco Pastoriusの曲はいつも通りのマイペース。
 いずれにしても全編通じてポップに過ぎず、難解に過ぎず、とても不思議でとてもカッコいい音。
 私的にはライブ諸作を除けばこのアルバムが一番の愛聴盤。
 たぶんジャズ的なムード、少々地味かもしれないけども落ち着いているから。
 単に、最初に聞いたWeather Reportのアルバムが“8:30”、その次の作品だったからかもしれませんが・・・ 
 さて、“Mr. Gone” (1978)からの路線が完成したのは本作なのか、それとも次作“Weather Report” (1982)なのか? 
 とにもかくにも明るい色合いの次作“Weather Report”へ続きます。




posted by H.A.