“Head Hunters” (Sep.1973) Herbie Hancock

Herbie Hancock (Fender Rhodes electric piano, Hohner D6 clavinet, ARP Odyssey synthesizer, ARP Soloist synthesizer)
Paul Jackson (electric bass, marímbula) Harvey Mason (drums)
Bennie Maupin (tenor/soprano sax, saxello, bass clarinet, alto flute)
Bill Summers (congas, shekere, balafon, agogô, cabasa, hindewhu, tambourine, log drum, surdo, gankogui, beer bottle) 

ヘッド・ハンターズ(期間生産限定盤)
ハービー・ハンコック
SMJ
2016-04-27


 Herbie Hancock、大ヒット作。
 メンバーを一新してポップなファンク路線。
 ここまでの作品の気難しさ、ジャズ的なムードを一掃。
 やっと“Bitches Brew” (Aug19-21,1969) Miles Davisの呪縛から解放されたような質感。
 ジャズ的ムードを排したのはMilesのほうが早かったのですが、この時期の作品“Dark Magus”(Mar.1974) Miles Davisなどには、まだ気難しさが残っています。
 Miles門下のクリエーターたちも“Mysterious Traveller” (1974) Weather Report、“Hymn of the Seventh Galaxy” (1973) Return to Forever、”Birds Of Fire” (1973) Mahavishnu Orchestra、などまだ気難しいか、激烈系。
 それらを一気に抜き去ったようなポップなムード。
 キッチリとしたビートとわかりやすいメロディについて好みは分かれるのでしょうが、マニアではない普通の人に受け入られるにはこのくらいがよかったのでしょう。
 とはいえ、ビートと全体の質感をスッキリさせただけで、LP全4曲、長尺インプロビゼーションてんこ盛り路線。
 さすがにポップな“Chameleon”、”Watermelon Man”はごちそうさまですが、”Sly”は他にはない出色のカッコよさ。
 私的にはこの一曲のみで買いですし、大仰なブレークを除けば、今の耳で聞いても古くない音だと思います。
 “On The Corner” (Jun.1972) Miles Davisを発展させたような、16ビートの軽くてファンキー、かつポリリズミックなビート感、しかも強烈な疾走感。
 Sly and the Family Stone、あるいは“Jack Johnson" (Feb.18,Apl.7,1970) Miles Davis、"Willie Nelson"のパターンの変形版ですが、ビート感、疾走感が違います。
 後追いでこの時期のMilesの未発表音源などを聞くていくと、Milesも実はこのビート感、この路線に行きたかったんじゃないのかなあ・・・と勝手に思っています。
 その上でのエキサイティングでカッコいいインプロビゼーション。
 何をやっても洗練されてしまうHerbie Hancock。
 カッチリした音楽をやってしまうと平板に聞こえてしまう感、無きにしも非ずなのですが、そのカッコよさが最大限に発揮されたトラック、だと思います。
 この曲でのエレピソロが、私が知る限りの彼のキャリア最高のソロのようにも思います。
 このアルバムが苦手な人(私もそうでした)は、CD3曲目から聞いてみましょう。
 始まって二分過ぎぐらいから、とんでもなくカッコいいグルーヴが始まります。
 これを聞いた御大Miles Davisは悔しかったのでは?大ヒットもしたようですし・・・
 それにしても、この人のレコードジャケット、何とかならないものですかねえ。
 ”Maiden Voyage” (1965)、“Speak Like a Child” (Mar.1968)は最高、前作“Sextant” (1972)はいいとしても、本作含めて他はちょっとねえ・・・
 ピアノはファンクでも激烈でも端正なのに・・・




posted by H.A.