“Now He Sings, Now He Sobs” (Mar.1968) Chick Corea
Chick Corea (Piano)
Miroslav Vitous (Bass) Roy Haynes (Drums)
Chick Coreaのピアノトリオ、人気作。
Milesへのセッションへの参加前、ここから先はリーダー作ではフリージャズ中心になり、この期では最後?のオーソドックスな4ビートジャズ作品。
私が持っているCDではスタンダードも交えてたくさんの曲が入っていて、曲順もバラバラ。
実際のLPレコードでは全5曲。
Side A
1.Steps-What Was
2.Matrix
Side B
1.Now He Sings, Now He Sobs
2.Now He Beats the Drums, Now He Stops
3.The Law of Falling and Catching Up
LPに収められなかった演奏も悪くはないのですが、昔のCDではアルバムのムードが曖昧、散漫な印象になってしまうように思います。
最初からCDで聞いてしまった感想は、モノの本には名作とされているけど、こんなものかあ・・・
後で気付いて、LPフォーマットに並び替えて聞いてみて納得の名作。
冒頭、長尺な”Steps-What Was”からハイテンションでモーダルな演奏全開。
強烈な推進力のベース、ドラムと、疾走し跳ねまわるピアノ。
ベースは強い推進力はそのままに、Miroslav Vitousとは思えないような落ち着いたオーソドックスな色合い。
決して激しくは叩かないのだけも、静かに鳴り続けるシンバル、ヒタヒタと迫ってくるような組み立てに凄みを感じるドラム。
中盤からは後の“Return to Forever” (Feb.1972)、”La Festa”の展開。
このカッコいい演奏が冒頭にあればまた印象が違ったんだろうなあ。
長尺だから後ろに回したのでしょうかね?
もちろん続くCD冒頭曲、高速Monkな”Matrix”が悪いわけではありませんが。
B面に移ってもハイテンションでモーダルな演奏、続いてはゆったりと漂うような演奏から端正でオーソドックスな4ビートへ展開。
"How Deep Is the Ocean "を引用しながら平和にエンディング。
最後は後を予見するような・・・かどうかは分かりませんが、短い不思議系フリージャズで少々の闇を見せつつエンディング。
やはりこの選曲、この並びが一番カッコいいと思うけどなあ。
アート感が全然違います。
今のCDは前半にLP順を集めて、未発表テイクを後ろに。
これが正解でしょうね。
最後の妖し気な余韻~空白が感じられないのが今一つなのかな?

posted by H.A.