“Afro-Sambas” (1995) Paulo Bellinati, Monica Salmaso
Paulo Bellinati (Guitar) Monica Salmaso (Vocal)
 
Afro-Sambas
Paulo Bellinati
Gsp Records
モニカ サルマーゾ


 ブラジルのギタリストとボーカリストのDuo。
 二人のみで"Os Afro-sambas"(1966) Baden Powell / Vínicius de Moraesをカバーした作品。
 サンパウロ系、クラシカルで上品なMonica Salmasはこれがデビュー作品なのでしょう。
 元々幻想的な色合いが強い"Os Afro-sambas"のカバーからキャリアがスタートしたのだとすればピッタリの色合い。
 少し低めの穏やかな声、しっとりたしたうえに朗々とした歌唱法。
 それ自体が幻想的、神秘的なムード。
 これははまり役でしょう。
 緊張感のあるメロディを緊張感のあるギター、穏やかなようでこれまた緊張感の強いvoice。
 それでも淡々とした静謐なムード。
 どこかで聞いたことのあるような、哀感、郷愁感漂う旋律が次々と流れていきます。
 Jobimの都会的に洗練されて洒落たムードではなく、アーシーでナチュラルな感じの哀感、郷愁感。
 激情は表出しないけども、どこか感情的なようで人臭いメロディ。
 緊張感と穏やかさの微妙なバランス、そのうえでの人臭い郷愁感が独特のムード。
 抜群の技巧、音数が多くて性急な印象のギター、それを引き戻しクールダウンするようなゆったりとしたvoiceとのバランスが絶妙だからこそ醸し出せるムードなのでしょう。
 メロディは同じですが、"Os Afro-sambas"(1966)との比較は野暮。
 こちらは清廉で瑞々しいジャケットのポートレートのイメージ通りの音。 
 躍動しているようで、とても落ち着く、素晴らしい音楽、素晴らしいvoice。
 忙しかった後のクールダウン、疲れた時の清涼剤としてもどうぞ。




posted by H.A.