“Water Babies” (Jun.1967,Nov.1968) Miles Davis

<Jun.1967>
Miles Davis (Trumpet)
Herbie Hancock (Piano) Ron Carter (Double Bass) Tony Williams (Drums) Wayne Shorter (Tenor saxophone)

<Nov.11-12.1968>
Miles Davis (trumpet)
Chick Corea, Herbie Hancock (electric piano) Dave Holland (bass) Tony Williams (drums) Wayne Shorter (tenor saxophone)

Water Babies (Dlx)
Miles Davis
Sbme Special Mkts.
マイルス デイビス


 Miles Davis、この時期の録音でお蔵入りしていた未発表音源集。
 "Nefertiti” (Jun.Jul.1967)と同時期のセッションと、“In a Silent Way” (Feb.1969)直前のセッション。
 前者は全てWayne Shorterの楽曲、その期のクールで妖しいMiles流ジャズ。
 それは予想通りの音。
 “Nefertiti”にそのまま入っていても全く違和感のなさそうな出来、内容。
 三曲とも”Super Nova” (Aug.Sep.1969) Wayne Shorterでお化粧直しして再演されていますが、それらの演奏とは違う穏やかで淡い演奏。
 なお、”Super Nova”での”Watere Babies"はWayne生涯の名演、とまで言わないまでも、とても素晴らしい演奏です。

 気になるのは後者。
 “Filles de Kilimanjaro” (Jun.Sep.1968) と “In a Silent Way” (Feb.1969) のギャップを埋めるヒントがあるか?
 結論からするとよくわかりません。
 “Filles de Kilimanjaro”よりも淡い感じの演奏なので、それは“In a Silent Way”に近いのかもしれません。
 が、エレピの響きが1968年とは思えないぐらいにオシャレで洗練されたイメージだったり、極めて平和な感じ、かつドラムがキメまくりのジャズロックだったりします。
 “In a Silent Way”の淡々とした不思議感はなく、編集してもそれっぽくなりそうにはありません。
 それにしてもTony Williamsのドラムは終始凄いし、Wayne作”Two Faced”のエレピと他の楽器との絡みは、後のフュージョンもびっくりの時代を超えたオシャレ感。
 ここでは、まだHerbie Hancockの色合いが強いのかなあ、と思ったりもします。
 他はCDに追加されているボーナステイクも含めてノリの軽いジャズロック。
 これらのオシャレでポップな演奏を整理して“Filles de Kilimanjaro”の次作として発表したらまた違う展開だったのかもしれないけども、そうではない方向に進んでいくMiles、このバンド。
 素直に考えると、“In a Silent Way”の不思議感は、ここから参加するJoe Zawinulの影響が大きいのでしょう。
 いずれにしても、このあたりのどの演奏も天才的スタイリストたちのなせる業。




posted by H.A.