“Trio” (2004) Simple Acoustic Trio (Marcin Wasilewski)
Marcin Wasilewski (piano)
Slawomir Kurkiewicz (bass) Michal Miskiewicz (drums)

Trio
Marcin Wasilewski
Ecm Records
マルチン・ボシレフスキ


 ポーランドのピアニストMarcin Wasilewskiのトリオ、Simple Acoustic TrioのECM初録音。
 ECMではポーランドの親分Tomasz Stankoの”Soul of Things” (2002)に参加し、その第二作”Suspended Night” (2003)が近作。
 それらとは近いのですが、華やかな“Habanera” (2000)とは少々印象が異なる、淡い色合いのピアノ、トリオ。
 “Habanera” (2000)ではガンガン来る場面もありましたが、本作は終始フワフワと漂うような、かつ流麗な音の流れ。
 2000年あたりからのECMのピアノトリオはこの種の淡い色合いの作品が増えて着るように思いますが、これもECMマジックなのかもしれません。
 そうだとすれば音の傾向が1970年代とは全く逆なのが興味深いところ。
 これまたECMらしくフリーインプロビゼーション的な演奏が三分の一を占めますが、それら含めて穏やかで優し気な音。
 親分Tomasz StankoやBjörkの楽曲、フリーインプロビゼーションでは少々妖し気なムードも醸し出していますが、それでも演奏自体は深刻でも暗くもありません。
 その他のオリジナル曲も全てほのかに明るくい色合い、軽快な演奏。
 とても柔らかなタッチ、さりげないタメと時折の疾走感、全体を通じてスムースでクールな色合い・・・、あたりがこの人の特徴のように思います。
 地元のレーベルでは硬派なイメージもあったのですが、ECMのこの頃の作品はそうでもありません。
 クラシック的に遠いところから聞こえてくるような印象の録音の影響も大きいように思います。
 硬質、かつ感情移入の激しいKeith JarrettやSteve Kuhnなど一世代前の人達とは全く違う淡くてクールな色合い。
 いかにも現代の若手の音。
 本作は穏やかなフリーインプロビゼーション曲が多めで、その分、少々地味。
 逆に間々の美曲が映え、ベタつかず、落ち着いて聞けるアルバムだと思います。
 次作、素晴らしい楽曲・演奏が揃った名作“January” (2008)へと続きます。




posted by H.A.