“Miles Davis in Europe” (Jul.1963) Miles Davis
Miles Davis (Trumpet)
Herbie Hancock (Piano) Ron Carter (Double Bass) Tony Williams (Drums)
George Coleman (Tenor saxophone)

Miles in Europe
Miles Davis
Sbme Special MKTS.
マイルス デイビス


 Miles Davis、新メンバーを揃えた初作“Seven Steps to Heaven” (Apl.May.1963)の制作の後のライブ録音。
 ハードバップとモードが交錯するライブシリーズ第一弾。
 いきなり”枯葉”。
 が、かつての綿々とした“Somethin Else” (1958) Cannonball Adderleyの”枯葉”ではなくて、軽快でクールな感じ。
 ピアノとドラムが少し変わった感じで、各メンバーともに周囲に合わせたフレキシブルな演奏が強調されつつも、まだ十分にオーソドックスなモダンジャズでしょう。
 続く”Milestones”、あるいは”Joshua”はモーダルで自由度の高いインプロビゼーションが始まっています。
 このバンドの特徴、ビートが伸び縮みする場面は少々のみ。
 これらの要素をどうやって混ぜ合わるか、あるいは、このバンドのメンバーで何がどこまでできるのか、などなど、実際の演奏を通じて見極めようとする過程なのでしょうかね?
 逆にオーソドックスで、端正で、キレのあるジャズとして最高の演奏。
 Tony Williamsのドラムは変幻自在、凄い反応。
 Herbie Hancockは攻めのバッキングと流麗で疾走感の強いカッコいいソロ。
 George Colemanもこれまた流麗でカッコいいソロ揃い。
 Miles御大も絶好調。
 全編激しい演奏ながら、クールなムードはこの頃から。
 この熱いようでクールなムードの源泉は何なのでしょうね?
 本作もハードバップから一歩踏み出した新しいモダンジャズの大名作ですが、次作、このバンドとしての新しいジャズの決定版その1の“Four & More” (Feb.1964)へと続きます。




posted by H.A.