“Miles Smiles” (Oct.1966) Miles Davis
Miles Davis (Trumpet)
Herbie Hancock (Piano) Ron Carter (Double Bass) Tony Williams (Drums)
Wayne Shorter (Tenor saxophone)

MILES SMILES
MILES DAVIS
COLUM
マイルス・デイビス


 Miles Davis、クールでモーダルな新主流派的アルバム第二弾。
 基本的には“E.S.P.” (Jan.1965)と同じ線ですが、Wayne Shorterの色合いが強くなってきた感じでしょう。
 楽曲はWayne Shorterが半数、御大一曲、ジャズ曲のカバーが二曲。
 冒頭から淡々とした、永遠に続きそうな静かに響くシンバルとウォーキングベース。
 印象的なのがHerbie Hancockのピアノが音を出していない時間が長いこと。
 元々間合いが大きくあちこちに飛び回るバッキングが特徴的でしたが、本作ではさらに音を間引いて、LPレコード各面の冒頭曲"Orbits"、"Dolores"ではバッキングはおろか、テーマでも音を出さず、ソロしか弾いていません。
 そんなピアノレスなムードがさらにクールで淡々としたムードを助長します。
 高速な4ビート、馴染んだメロディがくれば“Four & More” (Feb.1964)にもなりそうですが、不思議で妖しい系の楽曲、クールな各人のソロ。
 前作“E.S.P.”よりもクールさが増しています。
 続く御大のバラード演奏も同様。
 あのミュートが出てきますが、これまたクールな質感。
 元々クールな人ですが、それに加えてフワフワと漂うようなムード。
 続く“Footprints”もこれまたクール。
 半年前の収録、オリジナルの“Adam's Apple” (Feb.1966)よりもテンポを上げて、より洗練された雰囲気、伸び縮みするビート。
 そんなムードの中でも、全編を通じたTony Williamsの激しいドラムが、この作品から目立ち始めます。
 スタジオ録音でもエンジン全開になってきましたが、どこか遠くで響いているイメージ。
 むしろ淡々としたベースの動きが全体を支配します。
 ライブでは伸び縮みするビートが特徴的でしたが、“E.S.P.” (Jan.1965)と同様に、本作でもそれは少々のみ。 
 などなど含めて、クールだらけ、クールな質感と激しいドラムの絡み合いがカッコいいアルバム。
 ジャケットの御大は笑っていますが、内容はクールで妖しい、緊張感の高いジャズです。




posted by H.A.