“Odyssey of Iska” (Aug.1970) Wayne Shorter
Wayne Shorter (tenor, soprano sax)
Gene Bertoncini (guitar) David Friedman (vibraphone, marimba) Ron Carter, Cecil McBee (bass) Billy Hart, Alphonse Mouzon (drums) Frank Cuomo (drums, percussion) 

Odyssey of Iska
Wayne Shorter
Blue Note
ウエイン ショーター



 Wayne Shorter、Milesのバンドを抜け、“Weather Report” (Feb.Mar.1971)の前作になるセッション。
 Milesの近作はロック、ファンク色を強めた過激な“Live Evil” (Dec.16-19.1970)。
 Wayneが残っていればまた違うムードの作品だったかもしれませんが、なかなかそうはいかないようです。
 一方の本作は“Super Nova” (Aug.Sep.1969)、“Moto Grosso Feio” (Apl.Aug.1970)とメンバーをガラッと変えてのフリーっぽいWayne流不思議系ジャズ。
 冒頭から抽象的なメロディに定まらないビート。
 幻想的なムード。 ちょっと怖い。
 サックスは穏やかでメロディアスですが、ちょっとサイケなギターに激しいビート。
 いい感じのメロディになるかな?と思っていると明後日の方に飛んで激しい演奏。
 そんな演奏が続きます。
 本作にも前二作と同様に、一曲のみボサノバ、それも長尺な演奏が収録されています。 
 Wayne Shorterとボサノバはどう考えても結びつかいないし、Weather Reportとも直接的には繋がるイメージもありません。
 やはり謎です。
 ま、奥様?のAna Mariaさんの影響なのでしょう。
 それが幻想的かつスムースでとてもいい感じ。
 この演奏は“Native Dancer” (1974)に繋がりそうなイメージでしょう。
 他は激しい演奏ですが、激烈まではいかないかな?
 締めは強烈なグルーヴのファンクチューン。
 Weather Report に近いようなそうでもないような・・・
 “Weather Report” (Feb.Mar.1971)まであと半年。
 この次のリーダーアルバムは全く異質、とても明るい“Native Dancer” (1974)。
 この後はしばらくWether Reportに専念していたのでしょう。
 1960年代Wayne Shorterミュージックの締め。
 “Weather Report” (Feb.Mar.1971)、“Native Dancer” (1974)に繋がるような、繋がらないような、とても妖しい幻想的なジャズ。
 やはりこの人、不思議です。




posted by H.A.