“Moto Grosso Feio” (Apl.Aug.1970) Wayne Shorter
Wayne Shorter (soprano saxophone, tenor saxophone)
John McLaughlin (12 string guitar) Chick Corea (marimba, drums, percussion) Ron Carter (bass, cello) Dave Holland (acoustic guitar, bass) Miroslav Vitous (bass) Micheline Pelzer (drums, percussion)

Moto Grosso Feio
Universal Music LLC
ウエイン ショーター



 Wayne Shorter、これまた問題作。
 “Odyssey of Iska” (Aug.1970)と一部のセッションは重複、どちらが先の発表だったのかは情報をもっていません。
 前月録音の“Live At The Fillmore East-It's About That Time” (Mar.1970)を最後にMilesのバンドを抜けて最初のセッションになるのだと思います。
 ブラジリアンフリージャズ、ってな言葉が適当かどうかはわかりませんが、ワールドミージックとフリージャズを混ぜ合わせたような音。
 タイトルはアマゾン川のことのようですので、それをイメージした音なのでしょう。
 全編にエスニック風味が漂っています。
 が、深刻で混沌としたイメージ。
 完全なフリーの場面が多いわけではありませんが、特に後半はここまで過激にしなくても、と思うような深刻で激烈なフリージャズ。
 あのブラジルの密林ミュージック“Dança Das Cabeças” (Nov.1976) Egberto Gismonti、Nana Vasconcelosも真っ青、というか、全く異なる音楽です。
 冒頭は少々妖しめですが、まずまず穏やかなワルツ。
 郷愁漂うブラジル風の音の中を漂うソプラノサックス・・・かと思いきや、だんだんとビートも変わってフリーへ移行し、気が付けば混沌・・・
 二曲目に入っても、哀愁漂う素晴らしいであろうメロディの断片が聞こえるのだけども、なぜか混沌。
 凄い演奏が続きます。
 少々楽園的なムードで始まるアナログB面も、徐々に過激に。
 “Super Nova” (Aug.Sep.1969)、“Odyssey of Iska” (Aug.1970)でもブラジル曲を取り上げていましたが、本作では後に共演するMilton Nascimentoの名曲“Vera Cruz”。
 超スローテンポで全くイメージの異なる沈痛で過激な演奏。
 最後は沈痛、激烈なフリージャズで締め。
 こりゃ凄いや。
 “Weather Report” (Feb.Mar.1971)の一年ほど前の録音。
 Miroslav Vitousも参加していますが、Weather Reportらしさはないと思います。
 本作、その前後含めた三作はどれも過激な問題作。
 さすが普通の人とはちょっと違うWayne Shorterの凄み、狂気なのだと思います。
 後にJoe Zawinul、Wether Reportがその憑き物を落としてくれた・・・のかもしれません。
 同じく過激な次作“Odyssey of Iska” (Aug.1970)へと続きます。




posted by H.A.