“The All Seeing Eye” (Oct.1965) Wayne Shorter
Wayne Shorter (tenor saxophone)
Herbie Hancock (piano) Ron Carter (bass) Joe Chambers (drums)
Freddie Hubbard (trumpet, flugelhorn) Grachan Moncur III (trombone) James Spaulding (alto saxophone) Alan Shorter (flugelhorn)

The All Seeing Eye
Wayne Shorter
Blue Note Records
ウエイン ショーター


 Wayne Shorter、大規模コンボでのモーダルなハイテンションジャズ。
 本作からも三人が参加している“Miles Smiles” (Oct.1965) Miles Davisと同月の録音。
 大編成ですが、ひんやりとした質感。
 クールでモーダル、当時のMilesのバンドにも雰囲気が似てきていると思います。
 いわゆる新主流派的な音。
 “E.S.P.” (Jun.1965) Miles Davisから数ヵ月、Wane Shorterとしてもその音を自分なりに咀嚼できたのでしょうか。
 ”Maiden Voyage” (Mar.1965) Herbie Hancock、”Happenings” (Feb.1966) Bobby Hutchersonが同時期。
 それら全てに参加しているHerbie Hancockのこの時期のジャズに対する影響力の大きさが推察されます。
 ナタのようなMcCoy Tynerに対して、カミソリのようにシャープなHerbie Hancockのピアノが本作の準主役のようにも思います。
 クールで上品でモーダルで妖しい「新主流派的」とはHerbie Hancockだった、と言われても納得してしまいそうな流れ。
 おっと“Out To Lunch” (1964) Eric DolphyにHerbie Hancockは参加していませんでしたね・・・
 Herbie Hancock, Ron Carter, Joe Chambers or Tony Willians, Bobby Huchersonのうち、二人以上が揃うとそれっぽい音になるんでしょうかね。 たぶん。
 さらに本作では少々のみですが、フリー掛かった演奏が登場。
 Wayne Shorterの作品では初めてでは?
 不思議系ながら伝統的スタイルを崩さなかった人だけに大転換なように思います。
 以降、“Super Nova” (Aug.Sep.1969)までその手の演奏はないのですが・・・
 それら含めてJazz Messenger的なムードが消え去った作品。
 淡々としたビートを刻むベースにクールなピアノ、静かに煽るドラム。
 時折ビートを変え、伸び縮みするようなリズム。
 それらのリズム隊を背景にしたハイテンションなホーン陣。
 テナーもトランペットもアルトも火の出るような凄まじいソロ、
 さらにフロント陣のテンションの変化に合わせて、フレキシブルに対応するリズム隊。
 個別を見ていくと、やはり当時のMiles Davis黄金のクインテット的な音の作り方ですね。
 同じようなメンバーだから同然ですか。
 全体のムードは全く異り、Milesバンドのクールでさりげない凄みに対して、本作は少々大仰ですが、新主流派の名演、激しい系。
 クールで、ハードボイルドで、エキサイティング。




posted by H.A.