“JuJu” (Aug.1964) Wayne Shorter
Wayne Shorter (tenor saxophone)
McCoy Tyner (piano) Reggie Workman (bass) Elvin Jones (drums)

Juju [12 inch Analog]
Wayne Shorter
Blue Note Records
ウエイン ショーター


 Wayne Shorter、Milesバンドへの合流“Miles in Berlin” (Sep.1964)直前の作品。
 “Night Dreamer” (Apl.1964)のバンドからトランペットが抜けてワンホーンカルテット。
 黒魔術がどうのとか言われていたように思いますが、そんなムードは感じません。
 モーダルなハイテンションジャズ。
 人気曲の”Yes or No”などは爽やかさすら感じます。
 トランペットが抜けた分サックスのスペースが広がっていますが、そこはお好みでしょう。
 前作と大きな違いは感じません。
 いかにもColtraneなムードのリズム隊を背景にして、ハードボイルドなサックス。
 ここでも、伝統的なジャズのスタイルは崩れていません。
 というか、この先しばらく崩しません。
 途中で激しい曲があったり、モーダルな新主流派的なムードはありますが、伝統的スタイル、アコースティック4ビートを捨てるのは“Super Nova” (Aug.Sep.1969)からでしょう。
 冒頭のタイトル曲こそ激烈一歩手前の激しさですが、以降の楽曲、演奏はむしろ落ち着いた印象。
 Milesのバンドにいくぞ、ってな感じのムードもなく、そこではやりそうもないルーズな感じのバラードなども、あくまでWayne流のハードボイルドな感じで処理しています。
 楽曲もモーダルなモノよりも、AメロからBメロへの展開がカッコいい、モダンジャズ伝統のスタイルが目立ちます。
 それでも普通の人とは少し違う、力の抜けたような妖しさ。
 それが特別なのでしょう。
 そこそこオーソドックス、ハイテンションで少々の苦味。
 ハードボイルドなジャズ。




posted by H.A.