“Guide Me Home” (1999) Thierry Lang
Thierry Lang (piano)

Guide Me Home
Thierry Lang
EMI Import
ティエリー・ラング


 スイスのピアニストThierry Langのソロ作品。
 満を持したソロアルバム。
 ここまでいかにもピアノソロに似合いそうな耽美的、内省的な演奏でしたので、雑味を排した音がどこまで美しくなるのか・・・
 これが意外にもオーソドックスな音。
 美しさは全開。
 あの独特のタメの効いた節回しもいつも通り。
 でも想像していた音とは少々印象が異なります。
 レーベルがBlue Noteだから?
 録音、ミキシングの具合?
 ドラムとベースがいないので自身でビートを作っているから?
 感情移入を抑えて淡い感じを出そうとしたから?・・・
 おそらくその全て。
 オリジナルとスタンダードが半々。
 ソロゆえのビート感の伸び縮みはありますが、そこそこ定常。
 強い浮遊感・・・といった感じではありません。
 ビートを崩す場面、強い感情を出す場面、強烈に疾走する場面もありません。
 あくまで淡々と流れていく美しいピアノの音。
 だから落ち着いて聞けるのでしょう。
 気持ちが穏やかに平坦になっていくような音。
 夜な感じではなく、静かな昼下がりに合う音。
 とても穏やかで美しい作品です。
 なお、CD二枚組。
 一枚はあのQueenのFreddie Mercuryのドキュメンタリー映像"Freddie Mercury - An Untold Story"のサウンドトラック、Freddie Mercuryの作品集です。
 “Bohemian Rhapsody”かあ・・・
 これもとても穏やかです。




posted by H.A.