“City of Broken Dreams” (2012) Giovanni Guidi Trio
Giovanni Guidi (piano)
Thomas Morgan (double bass) João Lobo (drums)

City of Broken Dreams
Giovanni Guidi
Ecm Records
ジョヴァンニ グイディ


 イタリアのピアニストGiovanni Guidi、ECMでの第一弾。
 イタリアの大御所Enrico Rava バンドでStefano Bollaniの後釜、“Tribe” (2011) で素晴らしいピアノを弾いていた人。
 Ravaさんの推薦かどうかは分かりませんが、Eicherさんのお眼鏡にもかなったのでしょう。
 冒頭のタイトル曲、いきなりもの悲しいルバートでのバラードからスタート。
 柔らかなタッチ、微妙なタメが入りながら、伸びたり縮んだりフワフワと漂う音。
 まさにタイトルのような音。
 それでも悲壮感が漂うのではなくてあくまで淡い寂寥感。
 あくまで柔らかな音。
 そんな演奏がたくさんあるといいのだけど、本作では三曲ほど。
 その他、淡いメロディのジャズ、不思議なワルツ、Ornette Coleman的フリーインプロビゼーション的な演奏、その他諸々。
 全体的にはメロディが曖昧で抽象度の高い音作り。
 予測できない展開、聞き慣れない音階の使用も含めて不思議感たっぷり。
 それでも決して暗くはならないのが、さすがにイタリアの人。
 さらにフリーな部分を含めて、全編通じてピアノ、音楽ともに柔らかで淡い色合い。
 それがこの人の特徴なのかもしれません。
 なおベーシストのアメリカ人Thomas Morganは近年のECM諸作でよく見かける人。
 “Wait Till You See Her” (2008) John Abercrombie, ”Wislawa” (2012) Tomasz Stanko New York Quartet, “Gefion” (2015) Jakob Broなどなど。
 スウェーデンの名手Anders Jorminを想わせる素晴らしいベースを弾く人。
 決して派手な音は使わず、沈み込みながら穏やかなグルーブが出せる稀有な人と見ました。
 本作ではまだ手探りな感じがありますが、近い将来化けるかも。
 次作も同じメンバーでのトリオ。
 私的超お気に入りの名作、淡くて美しいメロディ、ルバートでのバラードてんこ盛りの“This Is the Day” (2014)へと続きます。