“Infinite Search” (Nov.1969) Miroslav Vitous
Miroslav Vitous (Bass)
John McLaughlin (Guitar) Joe Henderson (Tenor Sax) Herbie Hancock (Keyboards) Jack DeJohnette, Joe Chambers (Drums)

Infinite search
Miroslav Vitous
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ミロスラフ・ビトウス


 チェコ出身、Weather Reportのオリジナルメンバー、Miroslav Vitousのファーストアルバム。
 Weather Reportはまだ結成前、Miles Davisの”Bitches Brew”のセッションが、August 1969なので、ちょうどそのわずか後に録音されたのが本作。
 John McLaughlin、Jack DeJohnetteは”Bitches Brew”のメンバー。
 そんな音・・・、というよりも、”1969Miles” (Jul.25,1969)を思わせるような激しいジャズ。
 Jack DeJohnetteは”1969Miles”のように叩きまくり、
 Miroslav VitousはDave Hollandよりも激しいんじゃないと思わせるようなベース、
 Joe Henderson、John McLaughlin もブチ切れた演奏、
 Herbie Hancockは”Bitches Brew”に呼んでもらえなかったリベンジか・・・
 ってな感じで、冒頭のMiles所縁の曲でもある”Freedom Jazz Dance”とタイトル曲は、エレクトリックマイルス的エネルギー放出型の超激しいジャズ。
 他の曲では少々テンションが落ちるようにも感じますが、逆にHerbie Hancockの端正なエレピが映える演奏、その他諸々、面白い演奏揃い。
 全体を眺めるとエレクトリックマイルス的というよりも新主流派的な音。
 見方を変えれば、Herbie Hancock、Joe Chambers、Joe Hendersonが何故Milesバンドに呼ばれなかったのか見えてきたり・・・はしませんか・・・?
 それにしてもHerbie Hancock はブチ切れ気味でもきれいな音が並ぶし、Joe Hendersonが一部でWayne Shorter的なフレーズを吹いている場面があって、それも面白いなあ。
 そんな想像はさておき、モダンジャズはもちろん、新主流派、フリージャズを置き去り、次の領域に移ろうとする転換期の音。
 次の時代の激しいジャズ。
 この後は、Milesバンドの人、Life Timeの人、ファンクジャズで成功する人・・・、人それぞれ。
 リーダーはWeather Report結成へ。
 もう一つの”Bitches Brew”・・・とまでは言わないけども、そんな時代の転換点のような、結節点のようなアルバム。




posted by H.A.