“Chicken Skin Music” (1976) Ry Cooder
Ry Cooder (Bajo Sexto, mandola, bottleneck guitar, French accordion, electric guitar, slack-key guitar, tiple, Hawaiian guitar, vocals)
Red Callender (upright bass, tuba) Chris Ethridge, Henry Ojeda (bass) Atta Isaacs (slack-key, acoustic guitar) Gabby Pahinui (steel guitar, vocals) Hugo Gonzales (banjo) Russ Titelman (banjo, bass, vocals) Milt Holland (percussion, drums) Jim Keltner (drums) Flaco Jiménez (accordion) Oscar Brashear (cornet) Pat Rizzo (alto sax) Fred Jackson, Jr. (tenor sax) Benny Powell (trombone) Terry Evans, Cliff Givens, Laurence Fishburne, Herman E. Johnson, Bobby King (vocals)

Chicken Skin Music
Ry Cooder
Reprise / Wea
ライ・クーダー


 夏の終わりに似合いそうなこのアルバム。
 アメリカンロックのRy Cooder、テックス・メックス(テキサス系メキシコ系音楽?)とハワイ系音楽をフュージョンした作品・・・なのだと思います。
 私の想うパラダイスミュージックの代表選手。
 普段はジャズが南米系しか聞かないのですが、これ、あるいは“Jazz” (1978) Ry Cooderは、何年かに一度、思い出しては取り出して極楽気分に浸る・・・そんなアルバム。
 スラックキーギターにスライドギターにアコーディオン。
 メキシコなのか、アメリカ南部なのか、ハワイなのか、それらが交錯する不思議な質感。
 楽曲の出自には詳しくありませんが、どの曲もどの演奏もフワフワしていて心地よいこと、この上なし。
 ゆるゆるな音。
 聞いていると気持ちが弛緩して軽ーくなる、そんな感じ。
 脈略がなさそうな組み合わせが、なぜか最初から最後まで一貫した質感の音。
 あのソウルの名曲”Stand By Me”までがゆるくて、アコーディオンの響きが切なくて・・・
 ハワイ、あるいはアメリカ南部~メキシコあたりの人気が少ない田舎町ののほほんとした景色、ゆったりとした空気。
 全編、柔らかくて温い風が吹いてくるような音。
 とても穏やかで幸せ。
 ロック全盛期にこれをシレっとやってしまうRy Cooderのセンスに脱帽。

 この前後のRy Cooder作品はカッコいい作品ばかり。
 どれもアメリカ南部中心に、あちこちのエッセンスを加えてルーズなムード、ノスタルジックなムードがいい感じ。
 “Paradise And Lunch” (1974)、“Chicken Skin Music” (1976)、 “Jazz” (1978)、“Bop Till You Drop” (1979)・・・
 最後のアルバムが大ヒットして、その後はあまり聞かなくなったような記憶があります。
 ちょっと普通のポップス、ロック側に強く振れてきたからかな? なぜだかよく覚えていません。
 次にRyさんに再会するのは、おおよそ20年後、あの”Buena Vista Social Club”。
 とりあえず思い出したので全部聞いてみることにしましょう。
 どれもパラダイスだったような・・・




posted by H.A.