“Le Pas du Chat Noir” (2001) Anouar Brahem
Anouar Brahem (Oud)
François Couturier (Piano) Jean-Louis Matinier (Accordion)
チュニジア出身のウード奏者Anouar Brahem、フランス勢とのトリオ作品。
“Khomsa” (1994)もフランス人脈中心、さまざまな編成での演奏でしたが、本作はシンプルにトリオで全編一貫性のある音作り。
全編Anouar Brahemのオリジナル曲。
ゆっくりしたビート、全編エキゾチシズムと憂いが流れるメロディ。
乾いていて訥々としていて寂寥感の強いウード、零れ落ちるような繊細なピアノ、彩を加える郷愁感の漂うアコーディオンの絡み合い。
いつものAnouar Brahemのエキゾチシズム溢れる音ですが、ピアノの響きが現代西洋に引き戻しているイメージ。
アラブ系だけでのトリオ作“Astrakan Café” (2000)は聞き慣れない非日常のイメージが強い音でしたが、本作はほどほどの非日常感。
もちろんそれでも非日常な空気、十分です。
“Khomsa” (1994)にも参加していたピアノのFrançois Couturierはジャズの人のようですが、音のイメージは後の“Nostalghia” (2005)などと同様にクラシックテイスト。
ビートが抑えられた穏やかな音使い。
とても美しい音色、上品。
ちょっとしたフレージングだけでも、只者ではない感が漂っています。
本作では録音もクラシック的、明度が抑えられ、遠くから聞こえるような音。
それが遥か遠くを眺めるような質感に繋がっているようにも感じます。
三者が絡み合うアンサンブル。
入れ代わり立ち代わりで背景を作り、主旋律を奏で、カウンターを当てるスタイル。
個々のインプロビゼーションの時間は長くありませんが、三者三様の素晴らしいインプロビゼーション。
全て穏やかでゆったりとしたビート。
漂うように揺れるテンポ。
全て哀感が溢れる音。
どこか懐かし気な空気。
現代の空気に慣れ切っている人にとって、何か忘れてしまったものを思い出させるような音の流れ。
それでも十分に現代的で今の生活の中に溶け込む、違和感のないバランスの取れたアルバムです。
さながら悠久の音、現代版、といった面持ちでしょう。
タイトルは「黒猫の歩み」。
んー、わかるような、わからないような・・・
ゆったりとしていて、妖し気で、気品があって、少々悲し気。
それでも決して暗くはなく、穏やかな空気。
そんな音。
いいタイトルなのかもしれませんね。
Anouar Brahem (Oud)
François Couturier (Piano) Jean-Louis Matinier (Accordion)
チュニジア出身のウード奏者Anouar Brahem、フランス勢とのトリオ作品。
“Khomsa” (1994)もフランス人脈中心、さまざまな編成での演奏でしたが、本作はシンプルにトリオで全編一貫性のある音作り。
全編Anouar Brahemのオリジナル曲。
ゆっくりしたビート、全編エキゾチシズムと憂いが流れるメロディ。
乾いていて訥々としていて寂寥感の強いウード、零れ落ちるような繊細なピアノ、彩を加える郷愁感の漂うアコーディオンの絡み合い。
いつものAnouar Brahemのエキゾチシズム溢れる音ですが、ピアノの響きが現代西洋に引き戻しているイメージ。
アラブ系だけでのトリオ作“Astrakan Café” (2000)は聞き慣れない非日常のイメージが強い音でしたが、本作はほどほどの非日常感。
もちろんそれでも非日常な空気、十分です。
“Khomsa” (1994)にも参加していたピアノのFrançois Couturierはジャズの人のようですが、音のイメージは後の“Nostalghia” (2005)などと同様にクラシックテイスト。
ビートが抑えられた穏やかな音使い。
とても美しい音色、上品。
ちょっとしたフレージングだけでも、只者ではない感が漂っています。
本作では録音もクラシック的、明度が抑えられ、遠くから聞こえるような音。
それが遥か遠くを眺めるような質感に繋がっているようにも感じます。
三者が絡み合うアンサンブル。
入れ代わり立ち代わりで背景を作り、主旋律を奏で、カウンターを当てるスタイル。
個々のインプロビゼーションの時間は長くありませんが、三者三様の素晴らしいインプロビゼーション。
全て穏やかでゆったりとしたビート。
漂うように揺れるテンポ。
全て哀感が溢れる音。
どこか懐かし気な空気。
現代の空気に慣れ切っている人にとって、何か忘れてしまったものを思い出させるような音の流れ。
それでも十分に現代的で今の生活の中に溶け込む、違和感のないバランスの取れたアルバムです。
さながら悠久の音、現代版、といった面持ちでしょう。
タイトルは「黒猫の歩み」。
んー、わかるような、わからないような・・・
ゆったりとしていて、妖し気で、気品があって、少々悲し気。
それでも決して暗くはなく、穏やかな空気。
そんな音。
いいタイトルなのかもしれませんね。
posted by H.A.