“Un jour si blanc” (2008) François Couturier
François Couturier (Piano)

Un Jour Si Blanc (Ocrd)
Francois Couturier
Ecm Records
フランソワ・クチュリエ


 フランスのピアニストFrançois Couturier、ピアノソロ作品。
 本作も“Nostalghia - Song For Tarkovsky” (2005)と同様に、映画監督アンドレイ・タルコフスキー、あるいはバッハ、詩人ランボーに捧げた曲が収録され、解説には画家のミロ、カンディンスキーなどの名前も見られます。
 他にもタルコフスキーに絡む作品が複数、その他含めて、アートからインスパイアされるモノを音にしていくのがこの人のスタイルなのでしょう。
 編成は変われど“Nostalghia” (2005)と同様の質感。
 悲しげな音、静謐な空気。
 全てスローテンポ、漂うビート。
 とても美しいピアノの音。
 抽象的な音の流れの中から突然現れる美しいフレーズ、具体的なイメージ。
 音的には静謐なフリージャズ、現代音楽の世界。
 譜面があるのかもしれませんが、降りてきたイメージをそのまま音にした感じでしょうか。
 もちろん“Nostalghia” (2005)と同様、ジャズとして聞くことは難しいのですが、本作の方が躍動感はあるかもしれません。
 その意味では、あるいは全体を通じて重くないので、本作の方が好み。
 メロディやコード、ビートを追うのではなく、静かで美しいピアノ響きをそのまま浴びるにはいい作品。
 甘口ではありませんが、痛みや辛さはありません。
 心地よいかどうかは人それぞれ。
 ジャケットのアートそのまま、薄暗い空間に淡い光を放つ美しいピアノの音が零れ落ちてくるような時間、空間。
 非日常的世界に浸れる音。




posted by H.A.