“Winelight” (1980) Grover Washington Jr.
Grover Washington Jr. (Alto, Soprano, Tenor, Baritone Saxophones)
Ralph MacDonald (Congas, Percussion, Electronic Drums) Marcus Miller (Bass) Steve Gadd (Drums) Eric Gale (Guitar) Paul Griffin (Clavinet, Electric Piano) Raymond Chew (Clavinet) Richard Tee (Electric Piano) Robert Greenidge (Steel Drums) Ed Walsh, Bill Eaton (Synthesizer) Bill Withers (vocals)

Winelight
Rhino/Elektra
グローバー ワシントン ジュニア


 スチールパンシリーズ、この期の最後、ついに切り札のこれを出すか・・・
 バブル時代を経た人にとってスチールパンと言えばこれでしょう・・・
 ・・・ってなことはなくて、気が付いている人は相当のマニア。
 さりげなくて、カッコいいスチールパンの使い方。
 それも一曲、一部のみ。
 必殺大ヒットの"Just the Two of Us"。
 これこそRichard Tee!の「フェイザーがたっぷり効いた」ローズ。
 フワフワとした音が鳴り出すと、いまだに何だかワクワクします。
 歌はさすがに耳タコでごちそうさまですが、間奏のさりげないスチールパンのカッコいいこと。
 このふわりと立ち上がってゆらゆらと揺れるムードはスチールパンでないと作れないでしょう。
 ギターやピアノでは違うものになりそうだし、シンセサイザーなどもっての外。
 ここはこれでなければカッコがつきません。
 さらに場違いなほどバイタルなリーダーのサックス。
 その背景で慎ましやかにリフを刻むスチールパン。
 ドカーンと盛り上がって、リズムが落ちて、またローズ・・・
 さらに終盤、再度サックスの後ろでローズと一緒に淡々とリフを刻み続けるスチールパン。
 最高の組み合わせ。
 ベースが固めの音、チョッパー多用のMarcus Millerでなくて、Gordon Edwardsの柔らかくてヤクザなグルーヴだったら・・・、
 Eric Galeのギターの登場場面を増やしてくれれば、もっと涙ちょちょ切れだっただろうに表に出てくるのは一曲のみ・・・なんという贅沢・・・
 ってなのはさらにマニアックな話。
 でも、変えてしまうと崩れていくんだろうなあ・・・と思わせる完璧なアレンジ、キャスティング。
 今の耳で聞いても世紀の名曲、名演、名アルバムだと思うけどなあ。
 これこそエアコンがキリッと効いた夏のバー、ラウンジの音楽の極め付け。
 よく冷えた白ワインが飲みたくなりますねえ。
 今の季節、晩夏にも似合います。
 一世を風靡したこの曲、このアルバム、もうTVはもちろん、スーパーのBGMでさえも聞くことはなくなったのは寂しい限りですが・・・




posted by H.A.