“Vanguard Sessions: Best of the Vanguard Years” (1970-1979) Oregon
Paul McCandless (Bass Clarinet, Flute, English Horn, Oboe) Glen Moore (Bass, Flute, Piano, Violin) Ralph Towner (Clay Drums, French Horn, Guitar, 12_Guitar, Hands, Mellophonium, Organ, Piano, Trumpet) Collin Walcott (Clarinet, Congas, Drums, Dulcimer, Pakhawaj Drum, Percussion, Piano, Sitar, Tabla, Tamboura)
Larry Coryell (Guitar) David Earle Johnson (Congas, Timbales) Elvin Jones (Drums) Zbigniew Seifert (Violin) Bennie Wallace (Sax)

Vanguard Sessions: Best of the Vanguard Years
Oregon
Vanguard Records
オレゴン
ラルフ タウナー

 Ralph Towner率いるバンドOregon、初期のVanguardレーベルでのコンピレーションアルバム。
 さすがに全作品は聞けていませんが、このベスト盤は素晴らしい演奏集。
 ハイテンションなコンテンポラリージャズ。
 Ralph Townerもさることながら他のメンバーが凄い。
 Glen Moore, Collin Walcott の叩き出す凄まじいグルーヴ。
 ボコボコブンブンした音でグングン前へ進むベースと、千手観音のようなパーカッション。
 ECMだとクラシックの香りが強くて上品なPaul McCandlessの激しいインプロビゼーション。 
 Ralph Townerがギターだけでなく、ピアノも多く演奏しているのもOregonならでは。
 ギターと同じく透明度が高い美しい音の上に、強烈な疾走感のカッコいいピアノ。
 ここまで凄いと、楽曲がどうのとか、メロディがどうのとか、エキゾチシズムがどうとかは、どうでもよくなってしまうような演奏。
 まさに1970年代ECMサウンドな感じがします。
 クラシックの香り、民族音楽の香り、強烈なグルーヴ、ハイテンションなインプロビゼーション・・・
 強いて言えば少々明るくて前向きな質感なのがECMとは違うのかも・・・
 Ralph Towner のECM作品はOregon的ではないように思いますが、OregonのVanguard作品はECM的・・・
 なんだか不思議な関係です。
 ECMでの初録音が変則な編成での“Trios / Solos” (1972)。
 Manfred Eicherとしては早く契約したかったことは想像に難くありません。
 が、正式なバンドでのECM録音はさらに別レーベルを挟んで、10年後の”Oregon” (Feb.1983)。
 この1970年代のサウンドのままでECMで制作していたら、さらに透明度が増して、テンションが上がって、凄い作品ができていたんだろうなあ・・・
 あるいはECMマジックにかからなかったので、ほどほどのハイテンションで止まってよかった、ととらえるか・・・?
 さて?
 1980年代ECMのOregonとはまた一味違う、1970年代ECM的なハードでカッコいいOregonサウンド。




posted by H.A.