“Lighthouse” (2014) Tatiana Parra & Vardan Ovsepian
Tatiana Parra (voice) Vardan Ovsepian (piano)

Lighthouse
Tatiana Parra
ヴァルダン・オヴセピアン 
タチアナ・パーハ


 ブラジルのボーカリストTatiana Parra、アルメニア出身のピアニストとのDuo。
 最新作“Hand In Hand” (2016)の前の作品。たぶん。
 人気作“Aqui” (2010) Tatiana Parra & Andras Beeuwsaert と同じく雑味なしの完全なDuoですが、少々ムードは異なります。
 また、前作?“Inteira” (2010)とも印象は異なります。
 アルゼンチンのAndras Beeuwsaertのフォルクローレとジャズの色合いが強いピアノ、あるいは南米色も強かった“Inteira”に対して、クラシック寄りの印象の本作。
 Vardan Ovsepianのオリジナル曲中心、それがアルバム全体のイメージを決めているのでしょう。 
 複雑に上下するメロディとクラシックテイストのピアノ。
 ピアノは同じくアルメニア出身のスーパーピアニストTigran Hamshianに近い雰囲気もあります。
 何かしらの相互の影響、あるいはアルメニア独特の色合いがあるのでしょう。
 “Inteira” (2010) Tatian Parraについても、いつもの南米曲が少々違ったものに聞こえるのですが、その不思議な色合いが強調され、複雑でハイテンションになった感じでしょうか。
 冒頭から激しく上下する複雑なラインのユニゾン。
 凄みのあるピアノ。
 決して難解なわけでも激しいわけでもないのだけども、何かしら周りを寄せ付けないような厳しいムード、強い緊張感。 
 テンポが上がると強烈な疾走感のピアノ。
 さらにそれにピタリとついていく、あるいはリードしてしまうスキャットボイス。
 透明な声。
 さりげなくてかわいらしいようで抜群の歌唱力。
 この人のボーカルにも凄みを感じます。
 少々不思議系ながらあくまて爽やかな“Aqui” (2010)に対して、不思議系で妖しさもある本作。
 南米音楽特有、遠くを眺めているような郷愁感は少々のみ。
 どちらがいいかはお好み次第。




posted by H.A.