“Chants, Hymns And Dances”(Dec.2003)Anja Lechner, Vassilis Tsabropoulos
Vassilis Tsabropoulos (piano) Anja Lechner (cello)

Chants Hymns & Dances
Gurdjieff Tsabropoulos
Ecm Records
ヴァシリス・ツァブロプーロス  
アニヤ・レヒナー 


 ギリシャのピアニストVassilis Tsabropoulos、ジャズピアノトリオの次のプロジェクトはドイツのチェリストAnja LechnerとのDuo。
 ロシア~アルメニアの思想家、作曲家 George Ivanovich Gurdjieffの作品集。
 Vassilis Tsabropoulosの作品も数曲。
 GurdjieffはKeith Jarrettも演奏していた作曲家。
 ジャズ作品にはKeith Jarrettの色合いを感じる場面も多く、やはり何らかの影響、共通性があるのでしょう。
 もちろん本作はジャズではなくクラシック。
 とても悲しい旋律、静謐ながら緊張感の高い音。
 感情を昂ぶらせることなく、あくまで淡々と美しいメロディを奏でるピアノ。
 丁寧に置かれていく音、時折の加速感を伴う速いパッセージ。
 遠いところから聞こえてくるような音作り・・・
 正直、ジャズ作品では感じられた少々の「無理」が先のソロ作品“Akroasis” (2002)、本作には感じられません。
 Vassilis Tsabropoulosの本分はジャズではなく、こちらなのでしょう。
 何曲かのVassilis Tsabropoulosの曲もとても悲しく美しいメロディ。
 寄り添うように彩を加えるチェロ。
 こちらもとても穏やかながら悲しい表情。
 Anja Lechner、Dino Saluzziの共演では二人が揺れながら前に進む音楽でしたが、こちらは端正な背景を作るピアノの上を浮遊するチェロ。
 ほのかな温かさを感じる”Ojos Negros” (2006) Dino Saluzziに対して、本作はクールかつ敬虔なムード。
 周囲の喧騒を忘れ、非日常空間に連れて行ってくれる素敵な音楽。
 とても沈んだ音ですが、とても穏やかな世界のようにも感じます。




posted by H.A.