“Stages of a Long Journey” (2005) Eberhard Weber
Eberhard Weber (bass)
Jan Garbarek (soprano, tenor sax) Gary Burton (vibraphone) Rainer Bruninghaus, Wolfgang Dauner (piano) Marilyn Mazur (percussion) Nino G. (beatbox) Reto Weber (hang) Stuttgart Radio Symphony Orchestra conducted by Roland Kluttig

Stages of a Long Journey (Ocrd)
Eberhard Weber
Ecm Records
エバーハルト ウェーバー


 Eberhard Weber、所縁のあるメンバーとオーケストラを従えた集大成?ライブ。
 かつての名曲のオンパレード、さらにはスタンダードなども交えた豪華作品。
 "Silent Feet"で始まり、"The Colours of Chloë"、"Yellow Fields"、"Maurizius"を挟みつつ、”Little Movements" (1980)あるいは最新作から"The Last Stage of a Long Journey"で締める、絵にかいたような代表曲のアンロジー。
 サックスのCharlie Marianoはもういませんが、代わりに後に盟友となるJan Garbarek。
 ライブということもあるのでしょうが、ジャズ度もいつになく高め。
 サポートはさておきリーダー作でスタンダードとか素直なウォーキングベースとかあったかなあ・・・?
 1970年代から何作も共演したGary Burtonとは“Dreams So Real” (1975) から”Syndrome”をチョイス。
 あの作品にはEberhard Weberは参加してなかったはずですが・・・
 オーケストラ入り、コンボ、ピアノとのDuo、サックスとのDuo、その他諸々多彩な構成。
 過去の作品を知っている立場としては、懐かしいなあ・・・といった演奏から意外な演奏まで。
 20-30年前の曲、そのころから全く変わらないスペーシーな彼独特のベースがいまだに新鮮に聞こえます。
 初期からの盟友Rainer Bruninghausの素晴らしいピアノがたっぷり聞けるのもうれしい限り。
 ピアノソロに加えて、諸作からすればやりそうもないベースとのDuoでのジャズスタンダード演奏なども聞けます。
 この手の演奏を何作か制作していれば、ビッグネーム、スーパーピアニストとして崇められてたんだろうんあ・・・
 その他諸々、録音含めて瑞々しさはかつてのスタジオ作品の方が上かも知れませんが、余裕、ゆったり感は本作の方があるかな。
 ヨーロピアン・コンテンポラリー・ジャズの象徴の一人、貫禄の集大成、あるいは復帰に向けての第一声・・・
 ・・・のはずだったのでしょう。
 が、次の作品は、ライブの編集版に加えて”Hommage A Eberhard Weber”(2015)。
 アンコールの位置づけ、エピローグとして広いホールに響く孤高のベースソロ・・・・・





 ECM中心に私が知る限りの作品。
 活動歴40年にしては少ないリーダー作。
 音作りの変化はありますが、本人の音は最初から今に至るまで全く変わっていないように思います。
 初期の作品はヨーロピアンコンテンポラリージャズ、ECMの代表的な音。
 ともすればハイテンションで深刻系が多い中、リーダー作にしろサポートにしろ、この人の音が鳴るとなぜか空気が明るくなる希少な存在。
 間違いなく、ヨーロピアンコンテンポラリージャズの第一人者のひとりでしょう。
 また新たな活動を期待しております。

   (as a leader)
(1973) “The Colours of Chloë
(1975) “Yellow Fields
(1976) “The Following Morning
(1977) “Silent Feet
(1979) “Fluid Rustle
(1980) “Little Movements
(1982) “Later That Evening
(1984) “Chorus
(1988) “Orchestra
(1993) “Pendulum
(2000) “Endless Days
(2005) “Stages of a Long Journey
(1990-2007) “Résumé” 
(1990-2007) “Encore”
(2015) ”Hommage A Eberhard Weber

           (as a suporter)
(1970) “Intercontinental”  Joe Pass
(1974) Ring” Gary Burton 
(1974) ”Solstice” Ralph Towner 
(1976) Passengers” Gary Burton 
(1977) ”Watercolors” Pat Metheny 
(1977) ”Solstice/Sound and Shadows”  Ralph Towner
(1978) “Photo with ...” Jan Garbarek 
(1981) “Paths, Prints” Jan Garbarek 
(1983) “Wayfarer” Jan Garbarek
(1984) “It's OK to Listen to the Gray Voice” Jan Garbarek
(1988) “Legend of the Seven Dreams” Jan Garbarek
(1990) “I Took Up the Runes”  Jan Garbarek
(1992) “Twelve Moons”  Jan Garbarek
(1995) “Visible World”  Jan Garbarek
(1998) “Rites” Jan Garbarek

posted by H.A.