”Open Letter” (Jul.1991,Feb.1992) Ralph Towner
Ralph Towner (12string guitar, classical guitar, synthesizer)
Peter Erskine (drums)

Open Letter
Universal Music LLC
ラルフ タウナー



 Ralph Towner、スペーシーなシンセサイザー、さらにはジャズなドラムを背景にしたギターミュージック。
 ドラムのサポートが入りますが、ソロ作品”Blue Sun” (Dec.1982)に近い印象。
 ビート感を含めてデジタル臭もあるのですが、瑞々しいギターのあくまでアコースティックな質感と少々の揺らぎの勝ち。デジタルな世界には行きません。
 とても静かで穏やかな演奏、近未来的で幻想的な演奏が印象に残りますが、前作”City of Eyes” (Jan-Dec.1988)と同様にポップな曲もあったりフュージョンっぽい曲もあったり、幅のあるテイスト。
 Peter Erskineがいるからでもないのでしょうが、Weather Reportの香りも少々感じるのも前作同様。
 ビートが効いた曲などは珍しくジャズっぽく、それも新しい感じでカッコいい。
 オーソドックス系のドラムと、自由なRalph Townerはいい感じの組み合わせ。
 ”Matchbook” (Jul.1974) Ralph Towner, Gary Burtonと同様、一人だといろんな方向へ飛んでいくギターを、相棒がうまく引き留めているような感じもします。
 よく取り上げるBill Evansナンバー、本作では”Waltz for Debby”。
 こちらは奇をてらうことなくソロギターで、スウィンギーないかにもな演奏。
 続くスタンダード“I Fall in Love Too Easily”のソロ演奏含めて、まがうことなき名人芸。
 それにしても、ギターはもちろん、シンセサイザーも含めて透明度の高い音。
 心地よさは、”Solo Concert” (Oct.1979)と双璧かも。
 こちらの方がマイルドかな?
 流しているだけで空気が浄化されるような美しいアルバム。




posted by H.A.