”Matchbook” (Jul.1974) Ralph Towner, Gary Burton
Ralph Towner (12string guitar, classical guitar) Gary Burton (vibraharp)

Matchbook
Ralph Towner
ECM
ラルフ タウナー


 Ralph Towner、Gary Burtonの共演アルバム。
 Eberhard Weber、Pat Methenyが参加したセッション“Ring” (Jul.1974) Gary Burtonの2-3日後のセッションのようです。
 ECMお得意のクリエイティブなアーティストを組み合わた作品。
 同世代、当時どちらが人気があったのかはわかりませんが、楽曲がRalph Towner中心なので彼が主導権をとったのでしょうかね?
 どちらもモダンジャズ的なビート感ではない人、また、固めの音のRalph Townerに対して、華やかで浮遊感の強いGary Burton。
 ちょうどいう感じのバランスの組み合わせなのかもしれません。
 意外なのがRalph Townerのギターがいつにも増してスッキリしているように感じる事。
 ギターソロ的な作品では装飾音、経過音が多くなりますが、背景がしっかりしている分、音数が減っているのでしょうかね?
 いつもはノンジャンル、無国籍、ビートも自由な印象だったRalph Townerの音楽が、カッチリとしたコンテンポラリージャズ~フュージョンの枠の中に納まっているように感じます。
 シングルトーンでの素直なインプロビゼーションの時間もたっぷり。
 浮遊感が強くて自由度が高いようで実はカチッとしたGary Burtonとの共演ゆえの音なのでしょう。
 それをRalph Townerっぽくないととらえるか、まとまっていていい感じととらえるかは人それぞれ。
 もちろん万華鏡のように目まぐるしく変わっていくような展開、疾走感はいつも通り。
 Gary Burtonもいつも通り。
 誰とやろうがGary Burtonが入ると、Gary Burtonっぽい音楽になってしまいます。
 “Getz Au Go Go” (May.Oct.1964) Stan Getzからそんな感じでしたかね。
 この人の音の支配力は意外なほど強力なのかもしれません。
 Ralph Townerソロ作品としては少々異色な素直なコンテンポラリージャズ作品。




posted by H.A.