“Cruces” (2012) Andrés Beeuwsaert
Andres Beeuwsaert (piano, keyboards, vocal, guitar)
Juan Pablo di Leone (picollo, flute) Fernando Silva (cello, bass) Santiago Segret(bandoneon) Gabriel Grossi (harmonica) Loli Molina (vocal) Pablo Passini (guitar, voice) Ramiro Nasello (flhugelhorn)

クルーセス~交差する旅と映像の記憶~
Andres Beeuwsaert
アンドレス・ベエウサエルト
2012-12-12


 アルゼンチン、現代フォルクローレのピアニストAndrés Beeuwsaert。
 ドラムレス、ピアノを軸にしてさまざまな楽器が絡む構成。
 フルート、バンドネオンなどいかにも南米フォルクローレ的な穏やかで浮遊感のあるアンサンブル。
 作りとしては “Dos ríos” (2008) に似たムードですが、不思議感が和らぎ、明るさが前面に出て、少しだけポップ、聞きやすくなっているように感じます。
 ピアノを中心としたインプロビゼーションのスペースも広め。 
 クラシックの香りが漂う上品かつ、疾走感、加速感のあるピアノ。
 ブラジルのAndre Mehmariあたりに近いムードですが、少しジャズの色合いが強め、もう少し線が細くて繊細な感じでしょうか。
 穏やかで優し気なオリジナル曲。
 南米特有の郷愁感、ブラジル系よりもおおらかな印象。
 それらに加えて、なぜかEgberto GismontiっぽいあのLyle Maysの曲、さらにはアルゼンチンのDino SalussiCarlos Aguirreの曲など。
 最後の曲などはアコースティックギターのストロークが効いたPat Metheny Groupのムードも漂う演奏。
 彼らがブラジル・ミナス、アルゼンチンフォルクローレの色合いを吸収したのでしょうが、次の世代には逆の流れも起こっているのでしょうね。
 いずれにしてもフォルクローレ、ジャズ、その他、ジャンルの枠組みにははまらない穏やかで上品、優雅な音楽。
 これまた名作です。





posted by H.A.