“Cuong Vu Trio Meets Pat Metheny” (2015) Cuong Vu
Cuong Vu (trumpet)
Stomu Takeishi (bass) Ted Poor (drums) Pat Metheny (guitar)

クオン ヴー

 ルーツはベトナムのトランぺッターCuong Vu、かつての親分Pat Methenyを迎えたコンテンポラリージャズ作品。
 Pat Metheny Groupには“Speaking of Now” (2001)、“The Way Up”(2003-4)の二作に参加、妖し気な音作りから強烈なインプロビゼーションまで、只者ではない感が漂うカッコいいトランペット。
 オーソドックスからアバンギャルドまで何でもできそうな、いかにも今の若手といった印象。
 本作も今の若手らしく不思議系。
 全体を覆うダークなムード。
 アバンギャルドあり、フリーあり、変拍子も駆使した不思議系コンテンポラリージャズ。
 但し、軽い系ではなく、激しい系。
 冒頭、テンポこそゆったりとしていますが、5分ほど続く漂うビートのフリーインプロビゼーション。
 端正なトラペットから徐々に過激に・・・・ビートが定まるとプログレッシブロックなヘビーで激しい音。
 Pat Methenyもギターシンセサイザーで過激系、ズルズルグチョグチョな凄まじいギター。
 続くは変拍子複雑系ジャズ。
 アップテンポながら平和なムードで始まりますが、こちらも徐々に激しくなり、終盤はエレキベースの不思議で激しいラインと煽りまくるドラム。
 Pat Methenyは落ち着いた音使いですが、リーダーのトランペットの凄まじいソロ。
 三曲目はバラードっぽくやっと落ち着いてきますが、これまた不思議系。
 こちらのトランペットは悠々としたソロ。
 気が付けばテンポと音量が上がり、終盤にドカーンと盛り上がるドラマチックな演奏。
 さらには、フリーテンポでのバラード、これまた悠々としたトランペットに対して、後半、他の3名は完全にブチ切れた演奏。
 等々、凄い演奏が続きます。
 全体を眺めてみると、プログレシッブロックなベースと煽りまくるドラムを中心とした超ド級に激しいバンドサウンドと、悠々、朗々としたトランペットの対比が印象に残る音作り。
 そのトランペットも終盤にはブチ切れ状態に転移する流れ。
 それがなんともドラマチック。
 “The Way Up”(2003-4)でもあったなあ・・・
 Pat Methenyも過激系が半分以上。かき回す役回りを楽しんでるのかな?
 さすが、あの激しい期のPat Metheny Groupで演奏していた人。
 一味も二味も違うクリエイティビティと演奏力。
 凄みのある激しい系コンテンポラリージャズ。

※これは終盤のクールダウン曲。一番マイルド。


posted by H.A.