“Danza Sin Fin” (1998) Quique Sinesi
Quique Sinesi (guitar, etc.)
Calros Aruirre (paino, voice) Juan Falu (guitar) Gustavo Paglia (bandoneon)

Danza Sin Fin
Quique Sinesi
Espa Music
キケ シネシ


 現代タンゴ~フォルクローレのギタリスト、Quique Sinesi、ソロ作品。
 とても繊細で優しげな音楽。
 数曲でサポートが入りますが、基本的にはソロ演奏。
 元Dino Saluzziバンドの人、近年はAstor PiazzollaバンドのピアニストPablo Zieglerとの共演も多数。
 エレキギターも使って、タンゴだけでなく、ジャズ、フュージョン的な演奏もしていたようです。
 透明度の高いガットギターの音は、Ralph TownerやEgbetro Gismontiを想い起こしますが、彼らとは違う質感。
 もっと柔らかく優しく、線が細くて繊細な音、音楽。
 ビート感も少し違う感じ。
 ベースにアルゼンチンフォルクローレの6/8拍子が流れているのでしょう。
 サポートが付いた際のシングルトーンの音使いには、ジャズ的なムードも濃厚。
 ECMから出ていてもおかしくない質感ですが、それにしては穏やかで優し気すぎるのかもしれません。
 楽曲はオリジナル曲中心。
 どれも郷愁が漂うメロディ。
 もちろん優雅なフォルクローレなムード。
 また、数曲ごとに入るサポートがとてもいい感じ。
 ギターだけだと飽きてしまうかもしれませんが、ピアノ、バンドネオンがいいタイミングで違った色付けをしてくれます。
 Calros Aruirreとのコンビネーションは後の作品で聞かれるように、両者の繊細な音使いが相まって完璧なコンビネーション。
 バンドネオン、ギターとの組み合わせも同様。
 静謐ですが、陰鬱でも沈痛でもありません。
 あくまで穏やかな音。
 周囲の空気を一気に換えてしまうような音。
 淀んでいた空気が浄化する涼し気な風、微かな湿り気。
 淀んだ気持ちも穏やかに緩やかになるような空気感。
 現代フォルクローレの代表的な音。




posted by H.A.