“Carlos Aguirre Grupo (Violeta)” (2008) Carlos Aguirre Grupo
Carlos Aguirre (piano, accordeon, keyboards)
Alfonso Bekes (guitar, mandolin) Luis Medina: (guitar, piccolo guitar) Fernando Silva (bass, cello) Jose Piccioni (perccusion, bandoneon) Silvia Salomone, Florencia Di Stefano, Jorgelina Barbiero (voice) Melisa Budini (voice, marimba)



 Carlos Aguirre Grupoの三作目。
 ボーカルはコーラスのみ、一曲一曲が長尺な器楽曲の構成、“Carlos Aguirre Grupo (Crema)” (2000)、“Carlos Aguirre Grupo (Roje)” (2004)とは少しイメージが異なります。
 もちろん音楽の質感は同じ、とてもセンチメンタルで郷愁感溢れる音なのですが、ボーカルはコーラスのみ、ポップス色は抑えられ、コンテンポラリージャズな音。
 強く激しい展開の場面もあり、それら含めてとてもドラマチック。
 次々と景色が変わっていくような構成。
 何かしらのドラマが込められた組曲なのでしょうか。
 少しずつ変わっていく複雑なビート、複雑なアンサンブル。
 先が読めない展開、 ときおりの激しいインプロビゼーション・・・
 さらに要所で現れるコーラスがいかにもCarlos Aguirre的であり、南米的。
 ビートが上がると高揚感のあるグルーヴ、ブラジル・ミナス色が強い時期のPat Metheny Group、さらに全体の強烈な起伏と高揚感は、その超大作”The Way Up” (2003-4)を想起します。  
 ポップス然としたキャッチ―さはありませんが、各曲長尺な演奏、複雑な構成の中に、目の覚めるような美しいメロディがたくさん散りばめられています。
 そしていろいろな場所にいろいろな仕掛けが施されています。
 冒頭”Invierno”の穏やかな表情の中から表出する短い激情、強烈な余韻を残すエンディング、二曲目"Rumor de Tambores"の激しい演奏の中に現れる胸が締め付けられるようなメロディ、四曲目”Casa Nueva”のこの上もなく切ないメロディ、最終”Mariposa Leve”の穏やかな高揚感の中での前向きなエンディング・・・
 穏やかで優しい流れの中の少しの激情、興奮、そして陶酔感・・・
 凄みすら漂うドラマ。
 これまた傑作でしょう。




posted by H.A.