“Michael Brecker” (1987) Michael Brecker
Michael Brecker (tenor sax, EWI)
Pat Metheny (guitar) Kenny Kirkland (keyboards) Charlie Haden (bass) Jack DeJohnette (drums)

Michael Brecker
Michael Brecker
Mca
マイケル ブレッカー


 Michael Brecker、初リーダー作、ジャズ・フュージョン、大ヒットアルバム。
 4ビートばかりではありませんし、電子楽器の登場場面も多いのですが、全体の質感はアコースティックな印象。
 フュージョンと呼ぶにはジャズ寄り、今の耳で“Tales from the Hudson” (1996)あたりと比べると、温度感が低くてスッキリとした印象のジャズ・フュージョン。  
 もちろんサックスは凄い音圧、凄いスピード感。
 冒頭のバラードから強烈な音圧の激しいソロ。
 さらにはJack DeJohnetteとの激しいDuo~Weather Reportっぽい4ビートでのフュージョンチューン。
 最初から最後までずーーーっと吹きっぱなし。
 複雑でメカニカルな楽曲と、強烈なインプロビゼーションのオンパレード。
 半数はバラード系ですが、やはりブリブリ吹いています。
 Pat Methenyとの共演は、“Shadows and Light” (Sep.1979) Joni Mitchell、“80/81” (May.1980)以来でしょうか。
 本作での参加は数曲のみですが、よほど相性が良かったのでしょう。
 以降もMichael Breckerの作品の多くにはPat Methenyが参加しています。
 Pat Methenyは意外にも抑制的にも聞こえる演奏。
 この後の共演作品でもそんな演奏が多く、リーダーのサックスの激しさを中和する役回りかな?
 さらにKenny Kirklandの疾走するピアノがカッコいい。
 名作“Black Codes” (1985)Wynton Marsalisが近い時期、絶好調期。
 強烈な音圧、複雑でメカニカルな楽曲、さらに今は誰も使わないEWI、シンセサイザー、などなど、好みは分かれるのかもしれません。
 1980年代の香りのする激烈アコースティック(的)フュージョンとしてカッコいいなあ、と私は思います。




posted by H.A.