“Goodbye” (2005) Bobo Stenson
Bobo Stenson (piano)
Anders Jormin (bass) Paul Motian (drums)

Goodbye
Bobo Stenson
Ecm Records
ボボ ステンソン


 Bobo Stenson、ドラムに大御所Paul Motianを迎えた新トリオでのアルバム。
 漂うようなフリーテンポでのバラードがこの時期の真骨頂のPaul Motian。
 前任のJon Christensenもその類の演奏が苦手ではないタイプだと思いますが、もっと繊細。
 想像通りの音、漂うような静音ジャズ。
 スタンダード曲、アルゼンチン曲、オリジナル曲など含めて、メロディアスな楽曲。
 曲を演奏するというよりも、それらを題材にした静かなフリーインプロビゼーションのイメージが強い演奏。
 冒頭から超スローテンポ、ルバートでのバラード。
 美しいメロディ、コードの断片が微かに現れたり消えたりする展開。
 メロディの芯の周辺を浮遊するような美しいピアノの音。
 ピアノの周囲を舞い散るようなシンバル。
 漂うビートを前に進め、勢いをつけるベース、静かな空間に響く低い胴鳴り・・・ そんな演奏が続きます。
 名作“Storyteller” (2003) Marilyn Crispellのように全編がルバートではありません。
 ビートが効いた演奏もありますが、あくまで静かなグルーヴ。
 別のタイプの凄み。
 また、”Underwear” (1971) 、あるいは“Reflections” (1993)の様にテンションが高くもなければ、“Fish Out of Water”(1989)Charles Lloydのように音楽の輪郭が明確な演奏でもありません。
 が、豊かさはそれらの名作と同等。
 後半に抽象度の高い変奏もありますが、全体を眺めれば、静かで、穏やか。妖しくて、美しい、ピアノトリオの佳作。




posted by H.A.