“Serenity” (1999) Bobo Stenson
Bobo Stenson (piano)
Anders Jormin (bass) Jon Christensen (drums)

Serenity
Bobo Stenson
ECM
ボボ ステンソン


 Bobo Stenson、スタジオ録音諸作と同じメンバーでのライブ録音。
 ライブでも熱は上がりません。
 全編静謐で淡々とした演奏。
 長尺なインプロビゼーションではなく、短い曲での組曲的な構成が中心。
 緊張感を強いるタイプのトリオではないはずなのですが、本作は少し様子が異なります。
 抽象的なメロディ、自由な場面が増加し、不思議感も強。 緊張感と不安感を増長するような音使いが多い印象。
 この辺りで好みは分かれるのでしょう。
 もちろんピアノはいつもの美しい音、こぼれ落ちるような繊細な音使い。
 ベースもいつもにも増して動きの多い静かなグルーヴ。
 二枚組、二枚目に移ると少し緊張感が和らぎます。
 このバンドがよくカバーするキューバのSilvio Rodríguezの哀愁曲からスタート。
 漂うような美しいバラード演奏。
 さらにこれまた漂うようなBobo Stensonのオリジナルバラードが続きます。
 インプロビゼーションに移ると再度不思議な緊張感・・・
 ライブアルバムらしく最後はやっとアップテンポで締めますが、それにしても不思議系。
 全体を眺めるとやはり抽象的で不思議な音楽、集中して聞くと緊張感が強いられる音。
 その間々にちりばめられた美しいメロディが印象に強く残る構成。
 タイトルの意は「静けさ」。
 さまざまな形の静寂を表現しようとしているのかもしれません。
 穏やかであったり、不安であったり・・・
 そんなことを考えてしまう、深くて複雑で不思議なアルバム。




posted by H.A.