“One Quiet Night” (2001,3) Pat Metheny
Pat Metheny (guitar)

One Quiet Night
Pat Metheny
Nonesuch
パット メセニー


 Pat Methenyアコースティックギターでのソロアルバム。
 アコースティックギター、あるいは小編成でのバラードはこの人の定番、過去のアルバムにもたくさんの名曲名演。
 試しに拾ってみると、
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  Goin' Ahead     “80/81” (May.1980)
  Farmer's Trust    “Travels” (1982) 
  If I Could        “First Circle” (1984) 
  In Her Family      ”Still Life (Talking)” (1987)
  The Road to You   ”The Road to You” (1991)
  Always and Forever ”Secret Story” (1991-2)
  As I Am       “Quartet” (1996)
  Too Soon Tomorrow “Imaginary Day” (1997)
  Wherever You Go  “Speaking of Now” (2001)
  Is This America?    “Day Trip” (Oct.2005)
  Make Peace     “Metheny/Mehldau” (Dec.2006)
  Marta's Theme    “Metheny/Mehldau Quartet” (Dec.2005)
  Born          “KIN (←→)” (2014)     
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などなど、近年の作品も含めて、いずれも素晴らしいメロディ、素晴らしい演奏。
 ”Beyond the Missouri Sky” (1996)なんて、まるままそんな演奏のアルバムも。
 本作もバラード集。
 メランコリックなオリジナル曲中心に、Keith Jarrett、あるいはNora Jonesなどなど。
 が、上記のバラード演奏とは質感が少々異なります。
 あくまでシンプルに、静かに淡々と進んでいく美しいメロディ。
 ジャズ的なビート感、あるいは南米系のギタリストの様に伸び縮みするビート感もありません。
 終始、定常なリズム、いつもより沈んだイメージ。
 奇をてらった音使いもありませんし、ジャズ的なインプロビゼーションもありません。
 かといってクラシック的でもなく、強いて言えばフォーキーな印象。
 普通にビートを効かせたとすれば、おそらく全く違ったものになったのでしょう。
 徹底した静かさ、穏やかなテンポは瞑想的ですらあり、ある種の凄みも感じます。
 明るいわけでも暗いわけでもなく、微かなセンチメンタリズムが常に漂う美しい音。
 流れていると部屋の空気が浄化されていくような感覚。
 アコースティックギターのソロ演奏は数あれど、この手の作品って他にあったかなあ?
 “Durango Kid” (1993) Toninho Horta?
 そちらは激しくて熱も感じますが、本作は徹底的にクールで静謐。
 他の南米系のようにクラシック色もなし。
 諸々の意味で希少なギターアルバム。

 余談ですが、試しに上記のような静謐系のバラード演奏をパソコンで集めて並び替えてみると、素晴らしいコンピレーションができてしまいました。
 これは(これも・・・)最高です。
 マニアな方は是非お試しを。 




posted by H.A.