“As Falls Wichita, So Falls Wichita Falls” (Sep.1980) Lyle Mays, Pat Metheny
Lyle Mays (piano, synthesizer, electric organ, autoharp) Pat Metheny (guitars, bass)
Naná Vasconcelos (berimbau, percussion, drums, vocals)

As Falls Wichita So Falls Wichita Falls
Pat Metheny
Ecm Records
パット メセニー
ライル メイズ


 Lyle Mays, Pat Metheny共同名義作品。
 “American Garage” (Jun.1979)の後、ベーシストが交代し、音作りも大きく変わった“Offramp” (Oct.1981)の前の作品。
 シンセサイザーの音が目立つ、ドラマチックな組曲、その他諸々の要素。
 このアルバム、Lyle Maysの志向、色合いが強いのでしょうかね。
 前半の組曲は静かで淡々としたビート感、ギター、ピアノのインプロビゼーションが前面に出る場面も少なく、Pat Methenyグループっぽさ、あるいはジャズっぽさはあまり感じません。
 何かの映画のサウンドトラック、といった面持ち。
 後のピカソギター的な音や、民族音楽的な笛っぽい音、幻想的なムードなどもこの作品から。
 後々の作品でのさまざまな実験的とも聞こえる音使いが、この作品の中にたくさん納められています。
 また、Naná Vasconcelosが初参加。
 このアルバムでは強いブラジル色はありませんが、しばらく共演が続きますので、一つの転機なのでしょう。
 NanaのECM参加が“Dança Das Cabeças” (Nov.1976) Egberto Gismontiからで、少し間が空いています。
 “Toninho Horta” (1980)へのPatの参加は近い時期、あるいはEgberto Gismontiっぽいオリジナル曲が収められていることも興味深いところ。
 アメリカンなLyle Mays, Pat Methenyにとっては、彼らへのあこがれがあり、それらの要素を吸収、消化中といったところだったのでしょうかね。
 さらにはシンセサイザーを背景にアコースティックギター、ピアノを中心としたBill Evansへ捧げられたバラード、そしてNanaの幻想的なボイス、妖しげなパーカッションが映える曲、などなど、後々のグループの音作りにつながる演奏がたくさん。
 この後、グループ作品で初めてブラジル色、アバンギャルド色を入れた“Offramp” (Oct.1981)へ続きます。
 なお、このアルバム収録の“It’s for You”には、矢野顕子のカバーがあり、ゲスト参加のPatのギター含めて、オリジナルよりもしなやかでドラマチック、とてもカッコいい演奏です。




posted by H.A.