”Visible World” (1995) Jan Garbarek
Jan Garbarek (soprano, tenor sax, keyboards, percussion)
Rainer Brüninghaus (piano, synthesizer) Eberhard Weber (bass) Manu Katché, Marilyn Mazur (drums , percussion) Trilok Gurtu (tabla) Mari Boine (vocals)

Visible World
Jan Garbarek
Ecm Records
ヤン ガルバレク 


 Jan Garbarek、傑作”I Took Up the Runes” (1990) とほぼ同メンバーでの第三作。
 ”Legend of the Seven Dreams” (1988)から、あるいは”I Took Up the Runes” (1990)から続く「北欧エスニック」シリーズ。
 同じメンバー、同じムードの作品で考えると以下三部作といったところでしょうか。
  ”I Took Up the Runes” (1990)
  “Twelve Moons”(1992) 
  ”Visible World” (1995)
 前作までに近い質感ですが、本作はデジタル風味が強めの幻想的な音世界。
 いろんな空気、いろんな景色、いろんな時代が現れては消えていくような音の動き。
 メランコリックで郷愁感が漂うメロディ。
 熱を帯びないひんやりとしたムード が、それはかつての彼の氷のような冷たさではありません。
 少し遠くで吹いているような風のよう。
 ”I Took Up The Runes”あたりから感じられる不思議なノスタルジー、あるいは非現実感。
 どこのどの時代なのかもわからないのだけども、いい感じで別世界、別時代へトリップさせてくれるような幻想的なシリーズ。
 北欧エスニック色を前面に出したのち、優しい表情になったJan Garbarekの音楽。
 次はここまでの集大成のような超大作“Rites”(1998)へと続きます。




posted by H.A.