“Rites” (1998) Jan Garbarek
Jan Garbarek (soprano, tenor sax, synthesizers, sampler, percussion)
Rainer Brüninghaus (piano, keyboards ) Eberhard Weber (bass) Marilyn Mazur (drums, percussion) Bugge Wesseltoft (synthesizer, accordion) Tbilisi Symphony Orchestra, Sølvguttene Choir

Rites
Jan Garbarek
Ecm Records
ヤン ガルバレク 


 Jan Garbarek、本作はオーケストラを従え、「北欧エスニック」な雰囲気はそのまま、宗教チックなムードも含めて、これまでにも増して幻想的、ドラマチックな音楽。
 “I Took Up the Runes”(Aug.1990)以降のここまでの流れ、あるいは後の作品から考えると、これが集大成になるのでしょうか。
 そんな雰囲気十分な荘厳な大作。
 ここまで来ると、ジャズとかクラシックとか、北欧エスニックとか、サックスが厳しいとか、優しいとか・・・、云々は些末なことのように思えてきます。
 映画のサウンドトラックのような音作りは近作通りだとしても、これは深刻系の大作映画のそれ。
 あくまで静謐な質感。
 淡々と刻まれるゆったりとしたビート、オーケストラが作る重々しい背景。
 若干のデジタル臭は”Twelve Moons” (Sep.1992)あたりからの流れ。
 その中で低く、時には激しく鳴り響くサックス。
 決して奇異ではないのだけど、ただ事ではない雰囲気が漂う勇壮なメロディ。
 さらに全曲、強烈な寂寥感。
 いくつかはそれを通り越して厳かなムード。
 かつての作品のように、鎮痛?陰鬱?って感じもありますが、荘厳といった言葉の方が合いそうです。
 そんなムードに全体が支配されます。
 これは正座して聞かなければなりませんかね。
 かつての作品とは別の意味で怖い・・・
 冒頭からの重いムードの数曲を経て雰囲気は緩和されます。
 いい感じのジャズのムード、さらには聖歌隊、独唱等々、穏やかなクラシックのムード。
 サックスも優しいサイド。
 が、締めはやはり少々ヘビーな感じで、深刻系の映画のエンドロール・・・
 静かだけどちょっと怖い。
 そんな大作。



posted by H.A.