”Paths, Prints” (1981) Jan Garbarek
Jan Garbarek (soprano saxophone, tenor saxophone, wood flute, percussion)
Bill Frisell (guitar) Eberhard Weber (bass) Jon Christensen (drums, percussion)

Paths Prints
Jan Garbarek
Ecm Records
ヤン ガルバレク 


 Jan Garbarek、今度のパートナーはBill Frisell。
 そして“Photo With Blue Sky…”(1978)から引き続き、以降も長く今に至るまで活動を共にするEberhard Weber。
 なお、Keith Jarrettとの共演は“Nude Ants” (May,1979)が最後。
 バンドとしての活動は終了していたのでしょう。
 本作ではピアノを排し、ギターをBill Connorsから強い浮遊感のBill Frisellに変更。
 Eberhard Weberの浮遊感と合わせて、漂うような背景を作り、その中でハイテンションなサックスを鳴らす。
 そんな試みだったのかもしれません。
 まさにそんな幻想的な音。
 全曲Jan Gabarekのオリジナル曲、不思議系。
 後の北欧エスニックな音楽に繋がるようなイメージの曲も登場。
 もちろん全体の音のイメージを支配しているのは彼ですが、Bill Frisell、Eberhard Weberの明るい音が、Gabarekの冷たく厳しい音をうまく中和しているようにも感じます。
 サックスのテンションは相変わらず超高いのですが、かつての少し怖いような、不安感を助長するような曲、場面は少なくなくなりました。
 というよりも優しい場面が増えてきたのかな。
 この静かで漂うような音空間は悪くないと思います。
 どこかわからない、いつの時代か、過去なのか未来なのかもわからない、非日常空間へ連れて行ってくれる音。




posted by H.A.