”Witchi-Tai-To” (Nov.1973) Jan Garbarek, Bobo Stenson Quartet
Jan Garbarek (tenor saxophone, soprano saxophone) Bobo Stenson (piano)
Palle Danielsson (bass) Jon Christensen (drums)

Witchi-Tai-to -Reissue-
Jan Garbarek
Ecm
2019-05-17


 ノルウェーのサックス奏者Jan Garbarek、スウェーデンのピアニストBobo Stensonとの双頭カルテット。
 ドラマチックな名アルバム。
 さて、メンバーを見て気づくことがある人はそこそこのマニア。
 ピアノが変わるとあのKeith Jarrettヨーロピアンカルテットになります。
 “Belonging” (April, 1974) Keith Jarrettの数カ月前の録音。
 タイトル曲などはKeith Jarrttアメリカンカルテット”Treasure Island” (Feb.1974)あたり、あるいはヨーロピアンカルテットのムードも濃厚。
 ってもこっちの方が録音は早いのよね・・・
 さて、本アルバム、いきなり聞き慣れないメロディラインと、超高テンションのソプラノサックス。
 これに惹かれる人もいれば、引いてしまう人もいるのでしょう。
 さらにはこれまた聞き慣れないキューバ曲、テナーになっても全く寛げない高テンションなサックス・・・
 違和感の連続。
 が、アナログB面に移ると前向きなメロディ、現代ジャズなムードのタイトル曲。
 美しい音で突っ走るピアノ、ソプラノサックスは相変わらずの高テンションですが、この前向きな曲ならばそれも悪くない。
 さらに続くは美しくも沈痛でドラマチック、20分を超えるDon Cherryの曲。
 こちらはKeithというより、John Coltraneを感じるのだけども、妙な仕掛けはなし。
 シンプルにエキサイティングなインプロビゼーション。
 長尺でも退屈なしのカッコよさ。
 ってな感じで、B面で慣れてしまえば、前半の違和感もかえって心地よく聞こえてきたりして・・・さてどうでしょう? 
 さらに1970年代なのにこの美しい音。
 氷のように透明なサックスとピアノ。完璧なバランス。 ベースも当時流行りのエレキっぽい音は微塵もなし。
 さすがECM。




posted by H.A.