“Er” (2005) Nils Petter Molvær
Nils Petter Molvær (Trumpet, Bass, Keyboards, Electronics)
Eivind Aarset (Guitars) Rune Arnesen (Drums, Percussion) Strangefruit (Drum Programming, Bass) Jan Bang (Drum Programming, Sampler) Sidsel Endresen (Voice) Elin Rosseland (Voice) Ingebrigt Håker Flaten (Double Bass) Knut Sævik (Drum Programming, Bass) Erik Honoré (Keyboards) Magne Furuholmen (Piano) Helge Norbakken (Percussion)

Er
Nils Petter Molvaer
Universal Int'l
ニルス ペッター モルヴェル



 ノルウェーのトランペッターNils Petter Molvær、ECMから移籍後のスタジオ録音。
 メンバーの大きな変更もないため、基本的なムードはECM時代と変わりませんが、ビート感は少し抑え目。
 ドラムよりもパーカッション、エレクトロニクス系が前面に出ているからでしょう。
 力で圧倒してしまう印象のECM時代のピートに比べて、繊細でしなやかになった印象。
 ダークで妖しいムードはそのままに、フューチャージャズ色がより強くなったイメージ。
 繊細なトランペットの音がより生きる音空間。
 こちらはいつも通り、強烈なサブトーン交じりの音、マイルス的ミュート、エフェクター使い、その他諸々、生々しい音。
 インプロビゼーションスペースも多め。
 Sidsel Endresenのボーカルも、登場場面は限られますが、寂寥感を通り越した何とも言えないやるせないムードを醸し出しています。
 もちろん普通のジャズとは全く異なる質感。
 ロックでもなければポップスでもない、不思議な音楽。
 ま、ECM時代もそうでしたね。
 相対的には音圧が下がり、聞きやすくなっているように思います。
 が、全体のムードは今まで通り、暗くて深刻な未来の音。
 そんな音楽。




posted by H.A.