“Carlos Aguirre Grupo (Crema)” (2000) Carlos Aguirre Grupo
Carlos Aguirre (voice, guitar, piano, acordeon, percussion)
Silvina López (guitar, voice) Jorge Martí (guitar) Fernando Silva (bass) Quique Sinesi (piccolo guitar) Luis Barbiero (flute) Jorgelina Barbiero (voice) and others

Carlos Aguirre Grupo(Crema)
カルロス・アギーレ・グルーポ
Apres-midi Records



 現代フォルクローレのCarlos Aguirre、これが初リーダー作なのでしょう。
 何年か前、ジャズとは距離を置く音楽マニアの間では相当話題になっていたことを思い出します。
 今でもカリスマなのでしょう。
 当時CD一枚ごとに異なるオリジナル水彩画がついていたように思います。
 近年の南米系音楽のジャケットに水彩画が多いのも、この人が端緒なのでしょうか?
 まさに水彩画のような柔らかな音。
 モノトーンではなくカラフル。
 ブラジルのAndre Mehmari辺りとも共通する、とても穏やかで優し気なメロディ。
 そちらはクラシック、ジャズにフォルクローレの香りが乗ったイメージだけども、本作はフォルクローレにポップスが乗った印象、さらにもっと繊細。
 全ての楽曲が懐かしい印象も漂うセンチメンタルなメロディ。
 全てがキャッチーで南米独特の郷愁感が漂う名曲。
 ポップスの色合いが強いボーカル曲が中心。 
 アルゼンチンフォルクローレ特有の優雅なビートを中心として、時折スペインの香りがするようにも感じます。
 とても繊維で優しげな歌声と、この上なくオシャレな絶妙のコーラスワーク。
 瑞々しいガットギター、さらにそのユニゾンの美しいハーモニー、透明度の高いピアノの音が先導する小編成のアコースティック楽器の響き、さらにときおり前面に出る柔らかなフレットレスベース・・・
 それらが折り重なるように絡み合う音は絶品の心地よさ。 
 インプロビゼーションのスペースはわずかですが、これまた繊細で素敵なアンサンブルとさりげないインタープレーも散りばめられています。
 ジャズファンからするとスウィングしないとか、ポップに過ぎる、とかの向きもあるのかもしれません。
 が、ジャズとは違う、優しく穏やかな別の世界が見えて、それがいいと思うんですかねえ・・・
 これは大傑作でしょう。




posted by H.A.