“nem 1 ai” (2000) Monica Salmaso
Monica Salmaso (Vocal)
Nailor Proveta (sax, clarinet) Andre Mehmari (piano etc.) Rodolfo Stroeter (bass) Tutty Moreno (drums) Toninho Ferragutti (acordion)
ブラジル、サンパウロのボーカリストMonica Salmaso、MPB作品。
サポートはジャズコンボ。
ドラムがJoyceの夫君Tutty Moreno。
ピアノがAndre Mehmari。
これはMPBというより、少々クラシックの色合い、フォルクローレの色合いも交錯するコンテンポラリージャズ。
同時期、ボーカル抜きの同メンバーでジャズ作品“Forcas D'Alma” (1999) Tutty Morenoもあります。
南米系しっとり系のジャズ~ポップスは、柔らかくて明るいECMといったイメージの作品が多いのですが、まさにそんな一作。
バンド全体がふわふわと漂い、ゆらゆらと揺れる、強烈な浮遊感、とても優雅で柔らかなグルーヴ。
その中を美しいボイスとピアノ、その他が駆け巡る・・・、そんな音楽。
ボーカルはブラジル音楽定番、少しスモーキーな優しい声。
クラシックの香りも漂わせつつ、フォルクローレな色合いも強い歌。
彼女の作品、あるいはAndre Mehmariの作品はそんなテイストが多いのですが、リオのボッサ、サンバ系、ミナス系、バイーア系などに対して、サンパウロ系?なんてのがあるんでしょうかね?
ピアノのAndre Mehmariが言わずもがなの圧倒的な演奏。
美しい音、端正なクラシックの香りを漂せつつ、強烈な浮遊感の音使い。
ふわりと立ち上がって、静かに消えてゆく繊細なタッチ、スローではたっぷりのタメを効かせて、アップテンポでは強烈な疾走感、上品ながら意外性のある強烈なオブリガート、思い出したように現れる速いパッセージ・・・
この頃のAndre Mehmariは本当に凄い。
もちろん今も凄いのですが、この頃の方がジャズの色合いが強い感じ。ジャズ慣れしてしまった耳にはこの方が馴染みます。
たくさんではありませんが、管楽器含めてエキサイティングなジャズ的インタープレーの場面もあります。
これまた膨大なジャズの演奏の中でもなかなか聞けないような素晴らしい演奏。
楽曲は柔らかくてメロディアスなブラジルの巨匠その他の曲のカバー中心。
全く普通のアレンジなんだけど、出自が気にならないほどのオリジナリティ。
不思議ですが、Andre Mehmariが絡む作品にはそんな演奏がたくさん。“Lachrimae” (2003)とかね。
この作品、しばらくお蔵入りしていたらしいのですが、なんでだろ?
ブラジル系のボーカルものでボッサではないもの、と言われると一押しするのはこれかな、と思う素晴らしいアルバムだと思います。
ブラジル音楽ファンからは“Voadeira” (1999)あたりの方が好評なのかな?
ジャズファンからすれば、こちらも大傑作。
※本投稿は2016/05/28から移動しました。
posted by H.A.
Monica Salmaso (Vocal)
Nailor Proveta (sax, clarinet) Andre Mehmari (piano etc.) Rodolfo Stroeter (bass) Tutty Moreno (drums) Toninho Ferragutti (acordion)
ブラジル、サンパウロのボーカリストMonica Salmaso、MPB作品。
サポートはジャズコンボ。
ドラムがJoyceの夫君Tutty Moreno。
ピアノがAndre Mehmari。
これはMPBというより、少々クラシックの色合い、フォルクローレの色合いも交錯するコンテンポラリージャズ。
同時期、ボーカル抜きの同メンバーでジャズ作品“Forcas D'Alma” (1999) Tutty Morenoもあります。
南米系しっとり系のジャズ~ポップスは、柔らかくて明るいECMといったイメージの作品が多いのですが、まさにそんな一作。
バンド全体がふわふわと漂い、ゆらゆらと揺れる、強烈な浮遊感、とても優雅で柔らかなグルーヴ。
その中を美しいボイスとピアノ、その他が駆け巡る・・・、そんな音楽。
ボーカルはブラジル音楽定番、少しスモーキーな優しい声。
クラシックの香りも漂わせつつ、フォルクローレな色合いも強い歌。
彼女の作品、あるいはAndre Mehmariの作品はそんなテイストが多いのですが、リオのボッサ、サンバ系、ミナス系、バイーア系などに対して、サンパウロ系?なんてのがあるんでしょうかね?
ピアノのAndre Mehmariが言わずもがなの圧倒的な演奏。
美しい音、端正なクラシックの香りを漂せつつ、強烈な浮遊感の音使い。
ふわりと立ち上がって、静かに消えてゆく繊細なタッチ、スローではたっぷりのタメを効かせて、アップテンポでは強烈な疾走感、上品ながら意外性のある強烈なオブリガート、思い出したように現れる速いパッセージ・・・
この頃のAndre Mehmariは本当に凄い。
もちろん今も凄いのですが、この頃の方がジャズの色合いが強い感じ。ジャズ慣れしてしまった耳にはこの方が馴染みます。
たくさんではありませんが、管楽器含めてエキサイティングなジャズ的インタープレーの場面もあります。
これまた膨大なジャズの演奏の中でもなかなか聞けないような素晴らしい演奏。
楽曲は柔らかくてメロディアスなブラジルの巨匠その他の曲のカバー中心。
全く普通のアレンジなんだけど、出自が気にならないほどのオリジナリティ。
不思議ですが、Andre Mehmariが絡む作品にはそんな演奏がたくさん。“Lachrimae” (2003)とかね。
この作品、しばらくお蔵入りしていたらしいのですが、なんでだろ?
ブラジル系のボーカルものでボッサではないもの、と言われると一押しするのはこれかな、と思う素晴らしいアルバムだと思います。
ブラジル音楽ファンからは“Voadeira” (1999)あたりの方が好評なのかな?
ジャズファンからすれば、こちらも大傑作。
※本投稿は2016/05/28から移動しました。
