“Black Ice” (2015) Wolfert Brederode Trio
Wolfert Brederode (piano)
Gulli Gudmundsson (double bass) Jasper van Hulten (drums)

Black Ice
Wolfert Trio Brederode
Imports
ヴォルフェルト ブレデローデ


 オランダのピアニストWolfert BrederodeのECM第三弾。
 スイス~オランダのボーカリストSusanne Abbuehlのサポート諸作ではクラリネットまたはフリューゲルホーン入り、リーダー作ではクラリネット入りのレギュラーバンドでしたが、本作はピアノトリオ。
 ベース、ドラムともに交代。
 冒頭はいかにもECM、今にも止まりそうで止まらない、フワフワと漂うルバートでのスローバラード。
 “This Is the Day” (2014) Giovanni Guidi、“January” (2008) Marcin Wasilewskiなどなどなど、ECMの若手の間でも冒頭に持ってくるのが定番になりましたかね。
 ベテランでも全編それの”Storyteller” (2003) Marilyn Crispellなんて名作もありました。
 本作ではドラマチックな展開ながら、ガツンとは来ません。
 穏やかでしっとりとしていて、とても繊細。
 無音の瞬間に低く響くシンバルの音がカッコいい演奏。
 以降はビートが効いた演奏となりますが、全体眺めて、前作“Post Scriptum” (2010)までとは少し異なる質感。
 現代的なビート感は変わっていないと思うだけども、少しテンションを落としてきた感じ。
 寂寥感の強さはそのままに、不思議な感じのメロディも含めて淡い色合い。メンバー変更の影響も大きいのでしょうかね。
 元々強烈に弾くタイプではなかったのですが、管が抜けてピアノが前面に出るのは当然としても、それでも穏やかな色合い。
 やんちゃなわけでも、突っ走るわけでもなく、フワフワと漂うわけでもなく、それらを少しずつ合わせたような感じ。
 前二作で目立っていた、シンプルなリフを繰り返しながら背景を変えていく、ミニマル?的な展開はなく、オーソドックスにテーマ~インプロビゼーション。
 総じていえば、輪郭が明確な律儀な感じのピアノ、でも、なんだか不思議系。
 これまではモノトーンなり、ネイビーなりの明確な色だったように思いますが、本作では少々淡い色合い。
 最近のECMってこの手の淡い色合いが増えてきたなあ・・・?




posted by H.A.