”Andina” (1988) Dino Saluzzi
Dino Saluzzi (bandoneón, flute)

Andina
Dino Saluzzi
Ecm Import
ディノ サルーシ


 Dino Saluzzi、名作”Once Upon a Time - Far Away in the South”(1985)の後、間に“Volver” (1986) Enrico Rava を挟んだ後のソロ作品。
 一人の演奏なので、雑味なしのバンドネオン。
 この人のバンドネオン、小型のパイプオルガンみたいに聞こえます。
 機構が同じなんだからそうなのでしょうが、遠くで鳴っているような印象、クラシカルな音使いのイメージを含めて。
 録音の加減もあるのでしょうが、Astor Piazzollaあたりと比べると線が細く、優しく聞こえます。
 これがなんとも言えない郷愁感、そして浮遊感を醸し出しているように思います。
 全曲オリジナル曲、全編に流れる淡い哀愁。 こちらも「郷愁」の方が言葉のイメージは合うのでしょう。
 タンゴというよりフォルクローレのイメージ。
 少し曖昧なメロディの輪郭と、ソロならではの伸び縮みするリズムが引き起こす浮遊感。
 揺らぐ音空間。
 Piazzollaが原色、あるいは黒だとすれば、Dino Saluzziは淡い色、パステル。
 少しくすんだパステル。ちょうどジャケットの色のような音。
 但し、写真のように寒々とした荒海な感じではありません。
 少し懐かしいような優しい音。




posted by H.A.