”Theatre” (1983) George Gruntz 
George Gruntz (keyboards)
Marcus Belgrave, Tom Harrell, Palle Mikkelborg, Bill Pusey (trumpet, fluegelhorn) Peter Gordon, Tom Varner (French horn) Julian Priester (trombone) Dave Bargeron (trombone, euphonium) David Taylor (bass trombone) Howard Johnson (tuba, bass clarinet, baritone sax) Charlie Mariano (alto, soprano sax, flute) Ernst-Ludwig Petrowski (alto, soprano sax, clarinet) Seppo "Baron" Paallunainen (tenor sax, flute) Dino Saluzzi (bandoneon) Mark Egan (bass) Bob Moses (drums) Sheila Jordan (vocal)

Theatre
George Gruntz
Ecm Import

ジョルジュ グルンツ

 スイスのピアニスト、George Gruntzのビッグバンド作品、ECMから。
 Phill WoodsのEuropiean Rhythm Machineのメンバーだった人。
 当時のECM所縁のメンバーを中心に集めたコンテンポラリーなビッグバンドですが、面白いのはバンドネオンのDino Saluzzi、ボーカルのSheila Jordanの参加。
 Dino Saluzziは前年にECMで初リーダー作“Kultrum” (1982)を吹き込んだばかり。
 プロデューサーManfred Eicherとしても、いろいろ組み合わせてみたかったのでしょうねえ。
 Sheila Jordanは“Home” (1979) Steve Swallow、“Playground” (1979)、”Last Year's Waltz”(1981) Steve Kuhnに参加、こちらもこれからプッシュしようとしていた矢先?
 Mark Eganのベースのフィーチャー度が高めなのも何かあるのかな?
 冒頭から妖しげなVoiceと、揺れるバンドネオンが炸裂。
 いかにもECM的な一筋縄ではいかないビッグバンド。
 フリーな場面はわずかですが、民族音楽的な色合いやら、エスニックなボイスやら。
 アナログB面移るとこれまた妖しげなSheila Jordanのボーカルをフィーチャー。
 とか何とか、ゲストのフロント陣が変わった色合いですが、背景のバンドは端正で現代的なビッグバンド。
 Mark EganのフレットレスベースとGeorge Gruntzのエレピ、ピアノ、上品なホーンアンサンブルが背景を作り、手練れたホーン陣がソロを取るオーソドックスな展開。
 以降、Dino SaluzziはECMに定着、Sheila Jordanはリーダー作に至らず。
 Pat Metheny Groupを抜けたMark EganもECMに残らず、当のGeorge GruntzはECMではこれ一作のみ。
 何がどうなったのやら・・・。
 いずれにしても変わり種の面白いビッグバンド作品。

※このバンドの映像、音源が無いので、代わりにPhill Woods、Sheila Jordan、George Gruntzのビッグバンドを。 


posted by H.A.